肝がんで過剰発現しているHSCOとガンキリンを標的とするがん治療法の開発
Project/Area Number |
15025231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | 肝がん / がん遺伝子 / ガンキリン / HSCO / MAGE / プロテアソーム / アポトーシス |
Research Abstract |
1.HSCOの過剰発現が抗アポトーシス作用を示す機序を解析し、がん抑制タンパク質p53の発現には影響を与えないが、転写因子活性を抑制することを見出した。 2.HSCOの活性を抑制するようなHSCO変異体の作成を試みた。C端又はN端を10アミノ酸削ると、強い細胞死の誘導活性が認められた。この時、カスパーゼ3が活性化されており、アポトーシスであった。これは細胞質において変異タンパク質が凝集体aggresomeを作ることに関連すると考えられた。凝集体形成及びアポトーシスは、肝細胞癌で発現亢進している分子シャペロンAPG-2の高発現により抑制された. 3.ガンキリンと結合するMAGE-A4全長は、細胞増殖に影響を与えないが、そのN端210アミノ酸を削るとアポトーシス誘導効果の強い変異体となることを見出した。これは、BcL-xLの発現抑制、p53タンパク質の増加、Miz-1との結合によるp21転写の阻害等を介していた。ヒト細胞中でも、間接的にカスパーゼを介した機序により類似の分子がMAGE-A4全長から産生されること、DNA損傷によりその量が増えることを見出した。マウス個体への移植腫瘍にMAGE-A4変異体を投与すると、腫瘍増殖の抑制が見られた。抗がん剤としての可能性及び正常MAGE-A4の生理機能が示唆された。 4.ガンキリンがMdm2と直接結合し、p53の量を減らすことを見出した。ガンキリンmRNAに対するRNAiをがん細胞株(U-2OS、Huh-7)の培地に添加したところ、アポトーシスが誘導され、増殖が50%抑制された。 5.X線結晶回折によりヒトガンキリンの構造を明らかにした。アンキリンリピートの数は、アミノ酸配列から推定していた6個ではなく7個であった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)