腫瘍転移抑制剤を指向した実用的CXCR4アンタゴニストの開発研究
Project/Area Number |
15025235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 信孝 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60109014)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
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Keywords | CXCR4拮抗剤 / 癌転移 / ケモカイン受容体 / 環状ペプチド / 乳癌 / 膵臓癌 / 小細胞肺癌 / 血液癌 |
Research Abstract |
目的 ケモカイン受容体、CXCR4、の固形癌転移や血液癌増殖における極めて重要な役割が指摘されている。本研究では、我々が独自に見いだした特異的かつ強力なCXCR4拮抗剤T140を基盤分子として設定し、非ペプチド化、低分子化を通じて癌の化学療法剤としての適合化をはかるとともに、CXCR4拮抗剤を探索子とする癌転移の動的超分子機構の解析研究を目的とした。 方法・結果 CXCR4拮抗剤T140をベースに独自の直行型環状ペプチドライブラリーを活用して大幅な低分子化に成功し、得られたnMオーダーの環状ペンタペプチドFC131、cyclo(-D-tyr-Arg-Arg-Nal-Gly)、の構造活性相関研究情報を基にして非ペプチド性化合物の分子設計・合成研究を実施した。特に、FC131の5つのアミド結合の必要性、グリシン部分のスペーサーの長さを調べる目的で、各残基にN-メチルアミノ酸を導入した誘導体、および、非天然型異常アミノ酸を導入した種々誘導体を合成し、環構造の最適化を図った。また、NMRおよび分子動力学計算によりFC131の立体構造と活性との詳細な相関研究を実施した。 一方、生体内安定型T140誘導体(4F-benzoyl TE14011等)を用いて、乳癌、膵臓癌、小細胞肺癌、メラノーマ等の固形癌の転移抑制試験におけるin vitroおよびin vivo有効性を確認した。また慢性リンパ性B-cell白血病(CLL)の増殖抑制剤としての有効性を明らかにした。 考察 環状ペプチドをリエゾンとするペプチド・タンパク性活性物質の低分子化方法は我々の独自の非ペプチド化の方法論とリンクさせるこことにより、効率的な低分子化合物への誘導・医薬品としての適合化研究の応用できる。一方固形癌の転移抑制剤あるいは血液癌の増殖抑制剤として、CXCR4拮抗剤は優れた分子標的医薬の候補になると判断される。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)