癌の免疫学的監視機構からの逸脱におけるRCAS1分子の意義
Project/Area Number |
15025256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 学 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50198074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 武 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | RCAS1 / K562 / Signal pathway / Tyrosine Phosphorylation / Cell cycle arrest |
Research Abstract |
我々が樹立したモノクローナル抗体(22-1-1)が認識する抗原(RCAS1)分子は、広汎なヒト癌細胞で発現が認められ、その発現の程度は、癌の進展や予後不良との間で強い相関が見出され、本抗原が癌マーカーとして非常に有用であることを明らかにしてきた。さらに、22-1-1抗体が認識する分子のcDNA(RCAS1)を単離し、リコンビナント蛋白を用いた実験で、活性化免疫細胞や造血系細胞などにおいて、RCAS1分子に結合する分子(RCAS1レセプター)が発現すること、活性化T細胞の増殖がRCAS1との結合により停止し、ついでアポトーシスが生じることを明らかにした。RCAS1レセプター陽性K562細胞を用いたシグナル解析にて、刺激後5分より約70kDaの分子のチロシンリン酸化が誘導された後、サイクリンD3の転写因子の一つであるSP1の量的減少に続いて、サイクリンD3の特異的な減少、高リン酸化Rb蛋白の減少が経時的に誘導されることによりK562細胞の細胞周期が停止し、さらに細胞死(アポトーシス)が誘導される事が明らかになった。この刺激後早期にリン酸化される蛋白分子の同定を目的として、K562細胞をRCAS1にて刺激5分後に抗リン酸化チロシン抗体(PY100)にてチロシンリン酸化蛋白を免疫沈降し、一次元SDS-PAGE電気泳動法にて展開後、目的蛋白を切出し、ゲル内トリプシン消化後マス・スペクトロメーターにて解析を行い、いくつかの候補分子の検出に成功した。現在、免疫沈降されたチロシンリン酸化蛋白を二次元電気泳動法にて展開する事で、さらに目的分子の純度を上昇させた後、マス・スペクトロメーターにて解析することで候補分子の再確認を行うと共に、候補分子に対する抗体を用いて検定を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)