分子疫学的手法を用いた家族性子宮内膜癌の病態解明と遺伝子診断
Project/Area Number |
15026217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
野澤 志朗 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 大輔 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30167788)
進 伸幸 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90206459)
宇田川 康博 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80118918)
鈴木 光明 自治医科大学, 教授 (50110870)
荷見 勝彦 (財)癌研究会, 附属病院, 部長 (70134608)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥16,500,000 (Direct Cost: ¥16,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥8,400,000 (Direct Cost: ¥8,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥8,100,000 (Direct Cost: ¥8,100,000)
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Keywords | 遺伝性子宮内膜癌 / DNAミスマッチ修復遺伝子 / 新アムステルダムクライテリア / hMSH2遺伝子 / マイクロサテライト不安定性 / 家族性内膜癌集積性 / hMLH1遺伝子 / hMSH6遺伝子 |
Research Abstract |
我が国の遺伝性子宮内膜癌の病態を明らかとするため、子宮内膜癌患者2022例に対する家系調査の結果、28例のHNPCCの新アムステルダムクライテリアを満たす家族性子宮内膜癌症例(家系)を発見した。この結果より本邦における新アムステルダムクライテリアを満たす遺伝性子宮内膜癌は全子宮内膜癌の約1.4%程度に存在することを初めて、大規模な家系調査により明らかとなった。 家族性子宮内膜癌の発癌にはHNPCCの原因遺伝子であるDNAミスマッチ修復遺伝子(MMR遺伝子)の異常の関与が示唆されている。MMR遺伝子の異常により生じるゲノム不安定はマイクロサテライト不安定性(MSI)と呼ばれ、マイクロサテライトマーカーを用いたPCR法にて検出可能である。我々の施設においても、142例の子宮体癌症例のMSI解析を実施し、44例(33%)にMSI陽性を検出した。この結果より、子宮内膜癌の発癌機構にMSIが深く関与していることが示された。さらに我々は、MSI陽性の子宮体癌症例14例に対し、施設内倫理委員会の承認と書面による同意のもとMMR遺伝子であるhMLH1およびhMSH2遺伝子の生殖細胞変異を解析した。その結果、14例中1例でhMLH1遺伝子の生殖細胞変異(codon100のナンセンス変異)を認めた。この結果、MSI陽性子宮内膜癌の約6%にMMR遺伝子の生殖細胞変異が示され、家族性子宮体癌のスクリーニング法として、MSI解析が新アムステルダム基準よりは有用性が高いことが示された。重要な点は、この症例は家系内に癌集積性を示すものの、新アムステルダム基準は満たしておらず、遺伝性子宮体癌の診断のためには、現在の新アムステルダム基準に代わる我が国独自の診断基準およびスクリーニング法を構築する必要性があると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)