Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
脊髄視床路(STT)ニューロンは、脊髄からの侵害性信号を上位中枢に出力するニューロンであり、出力信号である活動電位パターンは、侵害性刺激の性質および強度と密接に関連すると想定されている。申請者の近年の研究において、逆行性標識法により脊髄スライスSTTニューロンを顕微鏡下に同定してパッチクランプ解析を行なうことが可能になり、これまでの成果から、抑制性入力がSTTニューロンのHCNチャネルを活性化し、リバウンド活動電位として出力を誘発することを見出した。このリバウンド活動電位が侵害受容に果たす役割や、そのための脊髄内抑制性神経回路の構築を解明することが本研究の目的である。本研究では、GABA合成酵素であるGAD67遺伝子に蛍光標識GFP遺伝子を導入した遺伝子改変マウス(以下GAD-GFPマウスと略記)を使用した。GAD-GFPマウスのゲノタイピングを行なう際、蛍光実体顕微鏡を用いて手技を簡易化した。生後日齢12-14日動物を脳定位固定装置に固定し、視床VPL核に逆行性トレーサーとして蛍光ビーズまたは蛍光色素付きコレラ毒素Bサブユニットを注入した。2-3日の回復期間後、マイクロスライサーを用いて腰部脊髄スライス標本を作成し、蛍光顕微鏡下に標識ニューロンを同定して、パッチクランプ実験を行なった。平成15年度は、標識ニューロンの電気生理学的特性および標識ニューロンへのシナプス入力特性に関する基本的解析に焦点を当てて実験を行なった。
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