高等植物における葉緑体RNAエディティングの分子機構の解明
Project/Area Number |
15030219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小保方 潤一 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (50185667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若杉 達也 富山大学, 理学部・生物学科, 助教授 (10212317)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 葉緑体 / RNAエディテイング / トランス因子 / タバコ / in vitro系 / 部位認識機構 / 高等植物 / RNAエディティング / psbE / petB / 部位特異的因子 |
Research Abstract |
RNAエディティングとはゲノムDNAの配列がRNAレベルで編集(エディティング)される現象である。タバコの葉緑体ゲノムは約16万塩基対の大きさがあり、これまでC→U変換型のエディティング部位が34カ所同定されている。これらのエディティング部位周辺には共通の配列や構造が見つからず、これらのCがどのようにして認識されているのかが大きな謎とされてきた。 本研究課題では、in vitro RNAエディティング系を用いて葉緑体におけるRNAエディティングの分子機構の解析を進めてきた。その結果、psbE遺伝子のmRNAではエディティング部位の上流-15から-6(エディティングされるCを+1)の領域に56kDaのトランス因子(p56)が、また、petB mRNAでは-20から-6までの配列に70kDaのトランス因子(p70)が、それぞれ配列特異的に結合することが明らかになった。つまり、個々のエディティング部位はそれぞれ特異的なタンパク質によって認識されていることが強く示唆された。 ついで、p56をモデルに、エディティング部位とトランス因子の相互作用を、様々な塩基置換やUVクロスリンク法などを用いて詳しく解析した。その結果、p56とエディティング部位との直接の結合がpsbE mRNAのエディティング反応に必須であることが明らかになった。 これらの結果から、部位特異的因子によるエディティング部位認識機構を世界で初めて示した。それは、トランス因子はまず上流シス配列に強く結合し、その一部を標的のCに近付け、接触すればエディティング反応が進行する、というものである。一つのタンパク質が2段階でエディティング部位を認識するこの機構は、他のRNAエディティングにはない、葉緑体独自のものである。さらに、エディティング部位が部位特異的因子に直接認識されることから、一つのタンパク質が部位決定とC→U変換反応の両方を行う可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)