Budget Amount *help |
¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
|
Research Abstract |
モデル単子葉植物のイネを研究材料とし,メリステムの維持,花器官アイデンティティーや数などを制御する機構を解明することを目的として研究を行った. (1)FLORAL ORGAN NUMBER1(FON1)遺伝子は,花分裂組織のサイズを制御することにより,花器官数をコントロールしていることが示された.遺伝子単離の結果,FON1遺伝子は,シロイヌナズナのCLAVATA1(CLV1)様のLRR型受容体カイネースをコードしていること,茎頂,花序,花のすべてのメリステムで発現し,メリステム内では全体に一様に発現していることが明らかとなった. (2)FON2遺伝子を単離した結果,FON2はシロイヌナズナのCLV3に相当するペプチド性のシグナル分子をコードしていることが明らかとなった.FON2の発現はメリステムの頂端部に局在しており,fon1変異体ではその発現量域が広がっていた.これらの結果は,FON2とCLV3との機能の類似性を強く示唆している. 以上の2つのFON遺伝子の解析結果は,イネのメリステムのサイズの制御においても,CLVシグナル伝達系が保存されていることを強く示唆している.しかし,イネのFON1とシロイヌナズナのCLV1の機能には,いくつか異なる点が認められ,イネ独自の機構が存在することも示唆された. (3)イネのAGのオーソログとして,OsMADS3とOsMADS58という2つのクラスC遺伝子を見出し,これら遺伝子の機能解明を試みた.その結果,両遺伝子とも,第2whorlではリンピの数の制御,第3whorlでは雄ずいアイデンティティーの決定,第4whorlでは花分裂組織の有限性の制御に関与していることが示された.しかし,雄ずいアイデンティティーの決定にはOsMADS3が,分裂組織の有限性に関してはOsMADS58がより重要な機能を果たしていることが示され,これらの2つ遺伝子がwhorl依存的な機能分化していることが明らかになった.一方,心皮アイデンティティーは両遺伝子の強い変異体でも残っていた.この結果は,イネの心皮の決定は主にDL遺伝子によって制御されているというこれまで得られている知見と良く一致した.
|