トランスサイレチンのアミロイド形成と突然変異の効果
Project/Area Number |
15032214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
水口 峰之 富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (30332662)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | トランスサイレチン / タンパク質 / アミロイド線維 / 家族性アミロイドポリニューロパシー / NMR / 重水素交換 / 構造安定性 |
Research Abstract |
トランスサイレチン(TTR)は、127残基から成るβ-シート蛋白質であり、生理的条件下では四量体を形成している。しかしながら、突然変異の影響によってアミロイド線維を形成し、家族性アミロイドポリニューロパシー(FAP)などのアミロイド病を引き起こす。FAPの原因と考えられている突然変異は、立体構造を不安定化し、そのためアミロイド線維が形成しやすくなっているのではないかと予想されている。本研究では、核磁気共鳴(NMR)、原子間力顕微鏡(AFM)、円二色性(CD)等の手法を用いることにより、アミロイド病を引き起こす突然変異がTTR立体構造をどのように変化させるのか調べる。 FAP変異体の一つであるS112I変異体について詳細な研究を行った。その結果、S112I変異体は生理的条件下において4量体ではなく2量体として存在していることが明らかとなった。また、S112I変異体は非天然の三次構造を有するが、トリプトファン側鎖のパッキングは天然構造と類似していた。また、2次構造も天然構造とほぼ同じであった。しかし、S112I変異体は生理的条件下で直径約15nmの球状凝集体を形成し、さらに、この球状凝集体は培養神経細胞にアポトーシス様の細胞死を誘導することを明らかとした。近年、このような球状凝集体がFAPの発症初期に観測されることが報告されている。本研究によって示された結果は、FAPにおいて神経細胞死を誘導する球状凝集体ができるためには、非天然三次構造を有する2量体構造が重要であることを示唆している。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)