キナーゼのクオリティーコントロールに関わるCdc37の構造と機能の解析
Project/Area Number |
15032225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮田 愛彦 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (70209914)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | Cdc37 / Hsp90 / CK2 / キナーゼ / リン酸化 / シグナル伝達 / 分子シャペロン / がん / 細胞増殖 |
Research Abstract |
Cdc37はさまざまな細胞内シグナル伝達経路に関わるキナーゼと複合体を形成し、Hsp90と共に働いてターゲットキナーゼの構造と機能を保証する分子シャペロンである。本研究では、Cdc37の機能が保存されたN末端領域のSer13のCK2によるリン酸化で制御されることを見いだした。このリン酸化サイトに変異を持つCdc37は、Raf1,Akt, Cdk4,MOK等のクライアントキナーゼとの結合能が著しく減弱していた。従って、CK2によるリン酸化がCdc37のキナーゼに対するシャペロン機能に必須である。CK2の特異的阻害剤による細胞処理でCdc37のリン酸化が低下し、Cdc37のクライアントキナーゼは不安定化した。一方でCdc37は細胞質でCK2に直接結合し、この結合がCK2のキナーゼ活性を上昇させた。従って、CK2-Cdc37は互いに相手の機能を必要とするポジティヴ・フィードバックループを形成して多数のシグナル伝達キナーゼの活性発現を保証する一種のマスタースイッチとして働き得ることが明らかになった。 ショウジョウバエの脳のサイズが小さい変異体Minibrainの責任遺伝子Mnbは哺乳類のDyrkファミリーキナーゼのホモログであり、ヒトのDyrk1Aはクロモソーム21番のダウン症候群責任領域に存在する。Dyrkファミリーキナーゼは細胞の発生・分化に関与し、細胞分裂やタンパク質分解の制御等の重要な生理作用を持つ事から注目されている。Dyrkファミリーの細胞内結合タンパク質の探索を行ない、Dyrk1B, Dyrk4が細胞内でHsp90及びCdc37と複合体を形成することを明らかにした。Hsp90の機能を阻害するとDyrk1BとDyrk4は細胞質でアグリゲーションを形成し、Cdc37/Hsp90がこれらのキナーゼが細胞内で可溶性に安定して存在するのに必須であることが示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)