Project/Area Number |
15032235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中井 彰 山口大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60252516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 幸江 山口大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60159978)
藤本 充章 山口大学, 医学部, 助手 (80359900)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥8,400,000 (Direct Cost: ¥8,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | 熱ショック蛋白質 / 熱ショック転写因子 / レンズ / FGF / クリスタリン / コンフォメーション病 / 白内障 / マウス / 転写因子 / 脱水 / 発生 / 分化 |
Research Abstract |
通常、生体は、未成熟蛋白質・変性蛋白質、熱ショック蛋白質、熱ショック転写因子の3者がうまくバランスをとることで恒常性を維持していると推測されている。このバランスの異常によって、一般にコンフォメーション病と呼ばれる蛋白質の変性と関連した様々な病態が生じる。遺伝性白内障の原因遺伝子の一つが熱ショック転写因子HSF4であることが明らかにされ、前年までにHSF4の異常がレンズ線維細胞のγクリスタリンとHsp27の発現の低下をきたすことを明らかにした。本年は、さらにHSF4遺伝子変異によるレンズ形成異常の分子機構を明らかにした。 HSF4欠損マウスのレンズを観察するとレンズ上皮細胞の増殖の亢進と未成熟な分化を認めた。このような表現型を示す遺伝子変異マウスとして、レンズ上皮細胞の増殖と分化に重要なFGFのトランスジェニックマウスが知られている。そこで一群のFGFの発現を調べたところ、HSF4欠損によりFGF-1、FGF-4、FGF-7の顕著な上昇を認めた。つまり、HSF4はFGF群の発現を抑制しており、その機能異常によりレンズ細胞の増殖と分化の異常をきたすことを示唆した。興味深いことに、FGFの転写制御に関してはHSF1とHSF4の作用は拮抗しており、両遺伝子の欠損でレンズ上皮細胞の増殖と分化は正常に近くなった。この研究は、HSFの熱ショック蛋白質以外のターゲット遺伝子を初めて示しただけでなく、HSF分子による遺伝子発現の拮抗的制御を初めて示した。昨年の研究と合わせて考えると、熱ショック転写因子群は分子シャペロンの発現制御による細胞機能制御のみならず、細胞増殖因子の発現制御も行うことで細胞の統合性の維持に働いていることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)