生体界面現象解明に向けたケージド化合物の合成と光機能
Project/Area Number |
15033211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新井 達郎 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (50151139)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 界面 / ケージド化合物 / 光機能 / 光分解 / 励起状態 / レーザー / ナノ材料 / 生体材料 / 光スイッチ / 複合材料・物性 / 分子認識 / 光反応ダイナミクス |
Research Abstract |
本研究では、分子機能の光制御と複合化について生体系と関連させた研究を行い、以下の成果を得た。 1)巨大分子の合成と光機能:巨大分子の光化学は、視覚における光情報の確認と伝達の観点から興味深い。このような観点から、光応答性巨大分子(デンドリマー)および関連化合物を合成した。水溶性のデンドリマーは内部が疎水的であり、外部に親水基を有するため水に可溶である。疎水部として蛍光性、光応答性の部位を導入し、外側の親水基により水溶性となった分子では、内部の疎水部の特異な光機能性がいくつか観測された。例えば、アゾベンゼンを中心部に有する水溶性のデンドリマーは、集合・解離および光異性化・熱異性化がデンドリマーの世代の効果を著しく受けた。スチルベン骨格を中心部に有するデンドリマーでは、トランス体は紫色の蛍光を発するが、光異性化により生成したシス体は、蛍光を発しなくなる。親水・疎水界面の効果で光反応が特異的な方向にのみ進行すること、中心の二重結合の異性化を巨大分子全体の構造変化として増幅できる可能性、蛍光性から無蛍光性に完全に変化可能であるなど水溶性の巨大分子の光による構造変化を新しい機能に展開可能な成果を得た。 2)核酸塩基系の蛍光観測:グアニンと芳香環としてフェナントレンやピレンを共有結合により連結した化合物をいくつか合成した。これらの化合物では、芳香環部位の蛍光が分子内のグアニン部により消光され、新たに、エキシプレックスの発光が観測された。核酸塩基が関与した発光は報告例が極めて少なく、また、分子間水素結合を活用したDNAの塩基配列診断試薬への応用可能と考え、現在、研究を進展させている。さらに、グアニンと相補塩基対を含む系の発光挙動についても明らかにした。 3)ケージド化合物の合成と光機能:生体内機能に重要な、cAMPや各種イオンの取り込みと放出を目ざしていくつかの化合物を合成し、光機能性について顕著な成果を得た。
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Report
(2 results)
Research Products
(34 results)