Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
近年,酸化チタン光触媒(TiO_2)は抗菌,脱臭などに広く利用され,一大産業となってきた。しかし,これら有機化合物の分解反応の詳細は,今だ不明な点が多い。TiO_2光触媒としての高機能化を図るためには詳細な反応機構を明らかにする必要がある。そこで本研究では,12Kの極低温で活性化学種を凍結できるマトリックス単離赤外分光法と理論計算を用いて,TiO_2光触媒反応過程を調べることを目的とした。実験は,(1)12Kに冷却したTiO_2上に試料混合ガスを吹付け後,UV照射して生成吸着種を調べる方法と,(2)金網に塗布したTiO_2上を,試料混合ガスを室温でUV照射しながら通し,直ちに12Kに冷却したCsI板に凍結して生成物を調べる方法で行なった。今回は,特にアルコール類について実験し,(1)の方法で物理および化学吸着したメタノールを同定できた。(2)の方法で,メタノール,エタノール,2-プロパノールは,先ず,それぞれホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,アセトンに酸化され,さらに酸素共存下では,反応が促進され生成量が増大すると共に,HCOラジカルとCOの生成が確認できた。(2)の実験で出発物質にアルデヒドやアセトンを用いて行なうと,次段階の触媒反応過程を追跡できるので,全反応機構を逐次解明できると期待できる。触媒反応には水の影響も重要と考えられるので,水やアルコール類の凝集状態についても調べた。UV照射装置とパソコンを導入できたので,これらを用いたマトリックス単離赤外分光による光反応実験と理論計算も行なった。
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