強光子場中での溶媒和金属クラスターイオンの反応ダイナミックス
Project/Area Number |
15035209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
富宅 喜代一 神戸大学, 理学部, 教授 (00111766)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 強光子場 / アルカリ土類金属イオン / 酸化還元反応 / フェムト秒レーザー / クーロン爆発 / 溶媒和電子 / アンモニウムラジカル |
Research Abstract |
[1]強光子場中での溶媒和アルカリ土類金属イオンの酸化還元反応の動的機構を解明するために、Mg(NH_3)_nやCa(NH_3)_nについて、Tiサファイア フェムト(FS)秒レーザーを用いた多光子イオン化過程の検討を行ったMg(NH_3)_nについて集光条件下(約10^<13> W/cm^2)で、Mg^<2+>(NH_3)_m(m【greater than or equal】4)の生成を初めて観測した。また、Mg(H_2O)_nではMg^<2+>(H_2O)_m(m【greater than or equal】3)が検出された。この結果は、Mgの第二イオン化ポテンシャルが非常に高いため、2価イオンを含む小さなクラスターでは電荷の再配分と溶媒分子の還元反応が起こり、クーロン爆発で分解すると結論した。また質量選択したMg^+(NH_3)_n(n=3-6)の光イオン化過程をFS秒レーザーを用いて検討した。この結果、10^<12> W/cm^2以上の光強度では、蒸発過程の他に新たに二価イオンの生成と金属イオンの酸化反応が競合して進むことを明らかにした。 [2]溶媒和電子の捕捉過程の理解とクラスター内でのH原子の動的挙動の情報を得るために、NH_4ラジカルのアンモニアクラスター内での励起状態緩和過程をFS秒ポンプープローブ法により検討した。1:1錯体では、無輻射過程が大きく促進され、1.4psに寿命が減少する結果が得られ、内部転換過程が大きく促進されることが明らかになった。さらにn=2と3では650,250 fsとなり、n=6では120 fsまで寿命が短くなる。この結果は、液体アンモニア中での電子の緩和速度とほぼ一致し、NH_4(NH_3)_n中で非局在化し溶媒分子と強く相互作用した価電子の緩和を反映していると結論した。また、CH_3NH_3(CH_3NH_2)_nの生成過程と安定性を調べるために、クラスターのイオン化ポテンシャルを検討した。また、FS秒レーザーを用いて、(CH_3NH_2)_nの光解離過程とCH_3NH_3(CH_3NH_2)_nの生成のダイナミックスを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)