金属―金属結合を含まないフレキシブルな有機金属クラスター系の開発
Project/Area Number |
15036222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
穐田 宗隆 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (50167839)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ロジウム / クラスター / 金属-金属結合 / 動的挙動 / ヒドリド / アセチリド |
Research Abstract |
金属-金属結合によって保持されない多核金属錯体の研究を通じて、金属-金属結合の果たす役割を逆説的に明らかにすることを目的に、配位する二つの金属を金属-金属結合形成不可能な距離に保持するPNNP[3,5-bis(diphenylphosphinomethyl)pyrazolato]配位子を用いてロジウム錯体の合成およびその性質の解明を行った。 1.[Rh_2(PNNP)(CO)_2]系複核金属フラグメントは二つのロジウム金属間にアセチリド、金属フラグメントを始めさまざまな配位子を取り込んで、金属-金属結合がある場合と同様な配位子架橋複核錯体を形成することを明らかにした。 2.架橋配位子がヒドリド、オキソ、アセチリド基の場合には、生成した複核付加体にさらに[Rh_2(PNNP)_2(CO)_2]フラグメントが付加した四核錯体が得られた。 3.四核架橋ヒドリド錯体では、四面体構造を形成するRh_4コアの中心部にヒドリド配位子が位置し、Rh原子間には顕著な相互作用は存在せず、従って四核構造は主にRh-H相互作用で保持されていることが明らかとなり、多核構造保持には必ずしも金属-金属結合が必須ではないことを示した。 4.四核架橋アセチリド錯体では、四つのロジウム原子が弱い金属-金属結合によってZ型に配置され、アセチリド配位子がそれらを架橋している構造となっていることを明らかにした。この錯体は金属-金属相互作用の可逆的な切断-再結合を経る複雑な動的挙動を示し、やはり配位子-金属問相互作用が構造保持の主因となっている。 5.四核錯体の構造と架橋配位子の相関を解明した。 6.非等法的な反応場を形成するために異核金属系を合成するための予備的な研究を行い、基礎的な知見を得た。 以上のように本研究を通じてクラスター系には金属-金属結合が必須ではないことを示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)