イミドイル金属活性種とそのフッ素化合物合成への応用
Project/Area Number |
15036249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
網井 秀樹 神戸大学, 理学部, 助教授 (00284084)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 有機フッ素化合物 / イミドイル金属種 / 有機金属化学 |
Research Abstract |
含フッ素イミドイル金属活性種は、アシルアニオン等価体として作用する、有機フッ素化合物合成において有用な活性種である。本研究の目的は、含フッ素イミドイル金属種の構造、及びその一連の反応について調査することである。 私たちはイミドイル金属種の有用な合成化学的展開を期待し、含フッ素イミドイル金属種からのC-F結合切断反応(選択的脱フッ素化反応)に照準を絞って研究を進めた。具体的にはイミドイル金属種1からのジアニオン等価体の創製である。 トリフルオロ酢酸より1段階で容易に得られる塩化イミドイル2の環元的ダブルシリル化反応を行なった。塩化トリフルオロアセトイミドイル(2)に対し、金属マグネシウム/塩化トリメチルシリルを作用させると、脱塩素及び脱フッ素-シリル化反応が進行し、ジフルオロビスシリルエナミン(3)が高収率で得られた。本反応は、イミドイル金属種からのC-F結合切断が鍵反応となっている。すなわち、本反応は、低原子価マグネシウムを用いる還元的C-Cl結合切断によるイミドイルマグネシウム種4、及びイミドイルシラン5の生成、それに続くイミドイルシラン5からの還元的C-F結合切断(脱フッ素-シリル化)を経由して進行して、ジフルオロビスシリルエナミン(3)を与えたと考えられる。 本反応で得られた生成物3は、アシルアニオン及びエノラート等価体として働く有用なジアニオン等価体である。各々の反応点で異なる求電子剤と反応させることにより、多様なフッ素化合物に変換することができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)