高周期元素とナノ柔構造の特性を利用した分子構築の理論と計算
Project/Area Number |
15036266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
永瀬 茂 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (30134901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 郁 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (30285093)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 高周期典型元素 / 遷移金属 / ナノ構造 / 分子認識 / 金属内包フラーレン / 並列計算 |
Research Abstract |
(1)高周期14族典型元素と6族遷移金属元素のすべての組み合わせについて、(η^5-C_5H_5)(CO)_2M≡ER(E=Si, Ge, Sn, Pb ; M=Cr, Mo, W)の構造と結合特性を明らかにした。三重結合力は、EがSi→Ge→Sn→Pbとなると弱くなり、MがC_<60>r→Mo→Wとなると強くなり、Si≡Wが最大の値をもつ。最高周期元素の鉛の三重結合は未だに知られていないが、(η^5-C_5H_5)(CO)_2M≡PbRでは鉛は明確な三重結合を遷移金属と形成する。また、ケイ素やゲルマニウムを骨格にもつ多面体クラスターの遷移金属ドープによるホモ芳香族安定化を明らかにした。 (2)ホスト分子とゲスト分子の弱い相互作用の本性を明らかにするために、レソルシナレーンのアルコール類の分子認識能を取り上げて、CH/π相互作用の高精度な理論計算を行った。従来の解釈とは異なり、CH/π相互作用は安定化には大きく寄与するが、分子認識には直接的な役割を果たさず、溶媒などとの協同的な相互作用が重要なことを明らかにした。 (3)フラーレンに内包された金属の回転運動はon-offスイッチとしての応用が期待される。La_2@C_<80>では2個のLa原子はLa^<3+>カチオンになりC_<80>^<3->内部を三次元的にランダムに高速回転しているが、ジシリランなどの有機ケイ素分子で化学修飾すると、C_<80>の胴体周りの平面内での二次元回転になることを理論計算より見いだした。また、N@C_<60>やP@C_<60>のN原子とP原子上のスピン密度も有機ケイ素分子の化学修飾によって制御できることを見いだした。 (4)Semi-InCore法を開発して、巨大な分子の電子状態の超並列高速計算を実現した。これは、現在の多くの汎用分子軌道プログラムでは、CPUの数が5-8で並列計算の効率が落ちるのと対照的である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)