Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
火山の噴煙にある種の時間変動が存在することは,ずっと以前から認識されていたが,十分な検討は行われてこなかった.本研究者らは,有珠山2000年噴火において,西山火口の噴煙について,赤外および可視の映像を解析することで,基本周期10数秒の時間変動が存在したことを明らかにした.こうしたある種のリズムが,他の多くの火山の噴煙においても普遍的に存在するものであるのか,火山活動の状態に応じて変化するものであるのかを明らかにするために,できるだけ多くの火山において,映像を取得し,解析を試みることとした.平成15年度の諏訪之瀬島に続き,今年度は,浅間山の噴煙について検討した. 浅間山は,2003年4月にごく微弱な噴火を行った後静穏を保っていたが,2004年9月1日に中規模の噴火を行い,9月15日から17日にかけて連続微噴活動を行った.これらの期間について,赤外映像を収録し,解析を行った結果,浅間山は長期的には,2004年4月以降噴気活動が高まりを見せ,7月25日に異常噴気活動を行ったあと,噴火活動に至ったことがわかった.また,短期的変動に関しては,連続微噴活動の初期段階であった9月16日04時ころには,周期7分程度の基本周期を持つスペクトルが見られたが,時間とともに短周期側に移動し,午前07時頃には周期2分程度になった.このような変化が定量的に捉えられたのは世界でも初めてである.こうした変化がおきた理由は,明らかではないが,たとえば,火道内をマグマが上昇することによって火道の長さが短くなり,共鳴周期が短周期側にシフトすることが定性的には可能である.9月16日の11時頃には,火口底にそれまでなかった溶岩ケーキが確認されており,マグマが火道中をせりあがってきたことを支持している.本研究により,火山の噴煙は時間的に変動しているが,その変動周期は,火山活動の状況,とりわけ気体・液体の混相流となっている火道の長さが重要であることが認識された.
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