室内実験によるマグマ溜りのダイナミクスと地震波観測の対応
Project/Area Number |
15038209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
隅田 育郎 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (90334747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 良浩 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (80283092)
並木 敦子 日本学術振興会, 特別研究員 (20450653)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 火山 / マグマ / 脱ガス / 非ニュートン粘性 / 赤外分光法 / 気泡 / 熱分析 / マグマだまり / 部分溶融 / 地震 / 減衰 / 火直 / 破砕 |
Research Abstract |
火山の噴火様式を決定する一つの主要な要因は、マグマからの揮発性物質の脱ガス効率である。マグマは結晶を含むと、速い変形速度程、柔らかく振舞うという、非ニュートン粘性を持つが、そのような流体からの気泡の脱ガスについては十分に分かっていない。そこで本研究では、このような脱ガス過程を理解するために室内アナログ実験を用いた。アナログ物質としては、キサンタンガム水溶液を用いた。まず、単一気泡の上昇速度の気泡体積依存性を調べた。その結果、気泡の上昇速度は、ニュートン粘性流体に比べて強い体積依存性を持ち、また界面張力が利く体積より小さい体積では、異なる体積依存性があることが分かった。次に気泡の注入間隔を変えた時の上昇速度について調べる実験を3つの気泡サイズについて行った。このような気泡の注入間隔の依存性はニュートン流体では見られないものである。その結果、上昇速度は気泡の注入間隔が長くなるにつれて、遅くなることが分かった。さらに、上昇速度と気泡注入間隔の間には、冪乗則の関係があり、大きな気泡程、注入間隔が遅くなるのに時間がかかることが分かった。この結果は、気泡が通過した後に通り道ができて、それが時間とともになくなる過程を反映していると解釈された。最後に、以上の実験結果を踏まえて、多数の気泡を発生させた場合の実験を行った。その結果、ニュートン粘性流体では気泡サイズにばらつきがあり、それが合体することにより間欠的に気泡が抜けていくことが分かった。また、気泡が下降流に伴って下方に運ばれる現象も見られた。一方、非ニュートン流体については、気泡が2,3の通り道を作り、そこを選択的に通って抜ける現象が見られ、下降流は生じなかった。気泡の上昇速度は、単一気泡が上昇する時に比べ数倍速く、気泡が抜ける通り道が出来ていることと整合的であった。マグマが結晶を含むと粘性が上がり、脱ガスが困難になると考えられているが、一方で本実験が示すように、通路を作る可能性もあり、その場合は脱ガスが効率的になることが示唆される。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)