“自己複製"と“寿命・老化"制御における分子基盤の共通性
Project/Area Number |
15039229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
平尾 敦 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (90343350)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 造血幹細胞 / 自己複製 / 活性酸素 / ATM / 未分化性維持機構 / 老化 |
Research Abstract |
造血幹細胞の自己複製制御機構を解析するため、老化制御に関与すると考えられる分子を取り上げ、造血幹細胞に対する作用を検討した。今年度は、ヒトでその変異によって早期老化症を呈することが知られているATM(Ataxia Telangiectasia Mutated)について検討した。ATM欠失によって造血前駆細胞の頻度やその分化能力にはほとんど異常は認められなかったものの、長期骨髄再構築能といった幹細胞の能力の著しい低下を認めた。この幹細胞活性の異常は、胎生期における造血幹細胞にはほとんど認められず、成体になり出現した。さらに、加齢とともに幹細胞の異常が原因と考えられる骨髄不全状態となることから、加齢や老化との深い関与が示唆された。幹細胞機能の低下の原因を探索したところ、活性酸素の上昇であったことが判明した。すなわち、Atm欠損マウスでは、幹細胞において活性酸素が上昇していること、抗酸化剤を投与することによって、幹細胞の骨髄再構築能の低下を防ぐことを確認した。さらに抗酸化剤の投与によって、加齢に伴う骨髄不全も防ぐことから、活性酸素の上昇が造血幹細胞のプールの枯渇の原因になっていたことが明らかになった。さらに、活性酸素の上昇によって、細胞周期制御因子であるp16INK4a/Rb経路の活性化が自己複製を抑制していることが判明した。活性酸素は、個体や細胞の老化に重要な役割を担う因子であることが示唆されているため、幹細胞の自己複製と老化・寿命が共通の因子で制御されているのではないかという仮説を支持する結果であった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)