ポリコーム遺伝子群による造血幹細胞の自己複製制御機構の研究
Project/Area Number |
15039239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
瀧原 義宏 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60226967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 素秋 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (10211799)
安永 晋一郎 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (50336111)
三好 淳 大阪府立成人病センター(研究所), 部長(総括研究員) (80166214)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | ポリコーム遺伝子群 / 造血幹細胞 / 幹細胞システム / DNA複製制御 / Geminin / Cdtl / 自己複製 / DNA複製開始制御 / Cdt1 |
Research Abstract |
先駆的な再生医療である造血幹細胞移植療法の開発によって従来致死であった白血病も根治することが可能になった。しかし、幹細胞の機能を維持する分子基盤についての理解が進んでいないことが再生医療の更なる発展の最大の障壁となっている。幹細胞はその頻度が低いことや検出が容易でないことから解析が遅れていた。本研究ではポリコーム遺伝子群(PcG)に注目し、PcGの遺伝子欠損マウスを作製することによって造血幹細胞を支持する分子基盤を解析するための新たな手がかりを得ることを試みた。ポリコーム遺伝子群(PcG)はショウジョウバエの遺伝学的解析から発見されたが、ヒストンコードを介してクロマチンの高次構造を制御することにより一度設定された転写状態を維持する機能を有し、発生制御において重要な役割を果たしていることが知られている。高等哺乳動物におけるPcGの相同遺伝子を見つけ、ノックアウトマウスを作製し解析することによって、PcGの機能がショウジョウバエから高等哺乳動物まで広く保存されていることを明らかにしてきた。そしてさらに自己複製能を含めた造血幹細胞の活性維持にPcGが重要な機能を果たしていることを初めて明らかにした。最近になりPcGは造血幹細胞にだけでなく、神経幹細胞や神経提細胞、さらには白血病幹細胞の活性を維持する機能も有していることが他の研究室から報告され、PcGが高等哺乳動物における幹細胞機能の維持に関っていることが予測される。PcGによる幹細胞制御の分子基盤に関してはPcGがP16 CDKインヒビターやP19ARFをコードしているink4A遺伝子座の発現を抑制することによって細胞老化を防ぎ、活性を維持していることが報告されている。しかし、本研究によってPcGはDNA複製のライセンス化因子Cdt1の抑制因子Gemininと複合体を構成し、PcGが直接DNAの複製制御を介して幹細胞の活性維持に関っているという新たな側面が存在することが解った。今後さらにGeminin-Cdt1がどのような分子基盤によって幹細胞の活性制御に関っているかについて詳細な解析を試みる予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)