ドイツ自治体の資金の調達運用と貯蓄銀行(シュパールカッセ)の役割の研究
Project/Area Number |
15530219
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Public finance/Monetary economics
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊東 弘文 九大, 経済学研究科(研究院), 教授 (60047735)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 自治体 / 資金調達 / 短期金融 / 長期金融 / 振替銀行 |
Research Abstract |
公営の貯蓄金庫は、一般行政と法人格を共にする、行政の1部門として始まり、19世紀を通じてドイツの経済成長にともなって拡大した。20世紀にはいると、貯蓄金庫間の振替取引を可能にする振替銀行が作られるようになり、貯蓄金庫のネットワーク化が進むようになる。振替銀行は、傘下の貯蓄金庫の預金をベースに、自治体の公金管理やそれにともなう短期金融にとどまらず、長期金融(地方債の引受け)、さらには対民間の与信業務一般にも業務を広げることを要望するようになる。 第1次世界大戦後のハイパー・インフレ期から1930年代初めの経済恐慌期には、貯蓄金庫は最大の試練にさらされる。1931年の大統領令によって、貯蓄金庫は設立者たる地方自治体と法人格を異にするものに改変された。ナチス期と第2次世界大戦期の統制経済の時代を経て、戦後、貯蓄金庫はドイツ全土に広く支店網が広がっており、振替銀行を通じてあたかも一つの銀行であるかのごとくネットワーク化されているという利点を生かして、広汎な中産層の預金を吸収し、中小企業の資金需要に応えていくことを特徴とする金融機関として蘇ったとされる。1960年代以後は、欧州統合の進展にともない、業務の国際化も進んだ。 貯蓄金庫をベースとして、貯蓄金庫の広域連合体である振替銀行があり、さらに州立銀行へと発展してきた。州立銀行は、州と複数の貯蓄金庫の地域連合体が出資して設立されている。州立銀行は州の数だけあるわけではなく、事実上、小さな州は大きな州の州立銀行に長短金融を依存し、これを通じて大きな州の影響下に置かれている。州立銀行はそういうわけで、ドイツ連邦制の基盤を危うくしているとも説かれる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)