低次元電子系非線形応答に基づく表面―電子・原子散乱及び電子トンネリングの研究
Project/Area Number |
15540317
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 康民 東京大学, 物性研究所, 教授 (00126103)
長尾 忠昭 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (40267456)
西垣 敏 九州工業大学, 工学部, 教授 (60126943)
前橋 英明 東京大学, 物性研究所, 助手 (30361661)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 粒子-表面散乱 / 非線形応答理論 / 交換相関効果 / 時間依存密度汎関数理論 / 動的相関効果 / 電子ガス / 表面プラズモン励起 / 局所場補正 |
Research Abstract |
半導体表面に数原子層程度の異種金属を吸着した系に生じる電荷の集団励起(プラズモン)に代表される現象に関する基礎的理解を理論・実験担当者が協力しながら進めてゆくことを目的として始められた本研究であるが、初年度においては実験結果を解析する手法をより高度にしたいという意図を持って、専ら理論研究のみが行われた。 さて、これまで、非弾性電子散乱理論の構築において重要になる線形応答を越えた非線形感受率の具体的計算は専ら乱雑位相近似(RPA)の範疇で行われてきた。しかしながら、実験で問題になる、固体中の価電子系では、そのRPAが正当化できる電子密度ではない。そこで、RPAを越えて交換相関効果を正確に取り込んだ理論の定式化を行うとともに、それらの効果の重要性を定量的に明らかにすることを目的として研究を進めた。その結果、形式的には正確で、そして、局所場補正の概念を用いれば定量的にも十分に正確な計算結果が得られる理論を構築した。 さらに、この理論を固体の低速重イオン阻止能の問題に適用したところ、計算結果は実験結果と比べてきわめて良い一致が得られたが、このよい一致は固体中の価電子系における動的交換相関効果、とりわけ、電子正孔多重散乱(励起子効果)を考えなければ決して得られなかったことも明確にした。 なお、本研究は以上のような成果を挙げたが、本研究代表者であるナザロフ氏が韓国光州大学に転出したことに伴って、本年度半ばで中止されたことを付記する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)