心不全における血管内皮機能障害および構築的リモデリングに対するエンドセリンの意義
Project/Area Number |
15590737
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
大西 正人 滋賀医大, 医学部, 助手 (30314149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 厚幸 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10273400)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 心不全 / リモデリング / 血管 / エンドセリン |
Research Abstract |
慢性心不全における心血管の構築的変化(リモデリング)に対するエンドセリン(ET)の関与を明らかにするために、本年度は研究実施計画の第1項、ヒト拡張型心筋症の心不全に相当する、高頻度右室ペーシングによる低心拍出性心不全イヌモデルの作製を行い、第2項の慢性投与実験における対照群(無治療群)のデータ、すなわち (1)心機能、血行動態測定 (2)腎機能測定 (3)神経体液因子の測定 (4)左室機能、血行動態測定、大腿動脈の血流測定、血管内皮機能の評価 (5)酸化ストレスの測定:心筋、血管のスーパーオキシドアニオンの測定 (6)組織内のコラーゲン線維の観察および線維化率の定量 を収集した。 また、エンドセリンが促進する心筋の線維化をACE阻害薬が抑制する機序に、内因性ブラジキニンが関与することを明らかにするために、高頻度右室ペーシング低心拍出量性心不全イヌに、エナラプリル(1mg/kg/日)及びブラジキニン2型受容体拮抗薬FR173657(0.3mg/kg/日)を慢性投与し、エナラプリル単独群と比較検討した。左室心筋の線維化率(%)は、エナラプリル単独群に比し、有意に増加し(4.83±0.21vs 3.43±0.15,P<0.05)、左室心筋でのpreproEH-1 mRNAの発現もエナラプリル単独群に比し、有意に増加し(P<0.05)、このpreproET-1 mRNAの発現はeNOS mRNAの発現と有意な負の相関を示した(r=一0.708,P<0.001)。このことから、ACE阻害薬は、一部には内因性ブラジキニンによるNO産生を介して、組織エンドセリン系を抑制することにより心筋のリモデリングを阻止する、と考えられた。この研究の成果は、平成15年11月23日から26日に筑波国際会議場で開催された第8回エンドセリン国際会議で発表した。
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Report
(1 results)
Research Products
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