高次量子もつれによる情報共有と代数計算に関する新方式の研究
Project/Area Number |
15650001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fundamental theory of informatics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 浩 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80183010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名取 伸 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 量子エンタングルメント / Bell不等式 / 凸多面体理論 / カット凸面体 / Holevo容量 / 最短格子問題 / 量子情報 / 量子計算 / 最短格子点問題 / Bell凸多面体 / 量子通信路容量 / 量子加法性 / 量子アルゴリズム |
Research Abstract |
量子情報科学について新しい情報処理パラダイムとして研究展開が図られているが、これまでの日本における量子計算・量子暗号の研究は、Shorの素因数分解とGroverの探索といった典型的量子アルゴリズムやBB84量子暗号といった典型的暗号に集中してきたきらいがある。より根本に立ち戻って量子力学原理に基づく情報処理を考えたとき、典型例が逆に研究の発展を阻害しているともいえる。本研究では、量子情報と量子計算の融合分野に取り組み、新たにこの分野で萌芽的な研究を目指している。 本年度の研究では、情報処理のための量子力学的性質として量子もつれ(量子エンタングルメント)について、それによって局所操作で実現できる情報共有を調べるため、Bell不等式の理論を組合せ凸多面体理論から構築することについてさらに研究を進めた。その成果として、これまでタイトなBell不等式は数パタンしか知られていなかったのに対して、カット凸多面体理論を展開することによって多数のパタンが生成できることを示した。これによって、どのBell不等式を破っていれば、量子特有の情報共有を展開できるかを調べる素地が構築できた。また、既存の量子エンタングルメント度に関する未解決問題である加法性に関連して、量子通信路容量の典型的なものであるHolevo容量を計算するアルゴリズムを開発し、それを用いて量子エンタングルメント度でも定量的な解析ができることを示した。代数的な深化による量子アルゴリズムの開発についても研究協力者の大学院生とともに基礎調べを進め、格子構造に関する有限群の隠れ部分群問題の量子アルゴリズムの研究を展開することができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)