Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
インターネット環境の急激な普及と通信バンド幅の拡大を受け,新たなネットワークコミュニケーションの形態としてP2Pコンピューティングが着目されている.P2Pにおける初期のファイル共有・探索アプリケーションでは,情報探索の効率はあまり考慮されておらず,リソースの大量消費やボトルネックの出現といった欠点が存在する.また,その後にP2P環境を想定して開発された探索手法はキー値の完全マッチといった単純な探索のみを対象としており,複雑なパターンや曖昧検索等が実現できていない. 本研究では,このような問題点の解決を図るため,複数ピアの協調動作に基づく効率的情報アクセス機構の開発と柔軟な探索機能を有する情報アクセス機構の実現方式の開発を目的として研究を推進した.本研究ではこれまでに,特定の索引サーバを想定しないピュアP2P環境における様々な特徴量に基づく分散オブジェクト検索を実現するための手法として,分散シグネチャを用いた方式を開発した.これは,従来情報検索で用いられてきたシグネチャファイルに基づく検索手法をP2P環境に応用したものであり,分散ハッシュ表によるオブジェクト検索を分散索引エントリの検索に応用したものである.また,P2Pコンピューティング環境での各ピア間の連携に必要となる,メタ情報の獲得・流通機構についても検討を行った.このための基礎的手法として,各サイトが内包する情報の抽出手法や異種情報サイトの連携による情報検索手法の研究開発を行った. 本年度は特に下記のような項目に関して研究を推進した. 1)昨年度開発した分散シグネチャの基づく探索手法の改良,拡張について検討を行った. 2)分散環境において情報源のもつコンテンツを特徴付けるためのメタデータ獲得手法について検討し,特にコンテンツの変化を抽出する手法の開発を行った. 3)Google Desktop等のローカルサーチエンジンをP2P技術を用いて連携させる方式について検討し,プロトタイプ実装を含めた研究を行った. 4)各ピアのセキュリティポリシーを考慮しつつ分散オブジェクト検索を実現するための手法を開発した. 5)P2Pシステム構築基盤であるJXTA2上におけるシグネチャを用いた分散オブジェクト検索の実現方式について検討を行った. 6)データグリッドと新たな情報源をメタレベルで統合する機構を開発した.
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