Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
3次元細胞注入システムで使用する穿刺深さ計測方法として,インピーダンス値をもとに穿刺深さを計測する3種類の方法,針・板電極法,二針電極法,MEMS電極法を考案した.針・板電極法は穿刺針とステンレス板対極電極を用いる方法,二針電極法は2本の穿刺針を用いる方法,MEMS電極法はMEMS技術を用いて複数の電極を1本の針上に形成した穿刺針を用いる方法である.MEMS電極は市販の注射針(27G,直径0.04mm,長さ15mm)の円筒面上に,絶縁層となるネガ型の感光性ポリイミドをフォトリソグラフィによって形成し,さらに,2層目の電極となる白金薄膜をリフトオフ法によってパターニングした.濃度6.5%のゼラチン試料を用いて,評価実験を行ったところ,全ての穿刺深さ計測法で5%以内の誤差で穿刺深さが数10μmの単位で計測可能であることを確認した.加えて.位置決め精度10μm,分解能1μmのマイクロ穿刺針駆動系および細胞注入精度0.125μlの細胞注入システムも開発した.以上の研究により,スキャッフォルドなどの目標生体組織に対してマイクロメートルオーダーの穿刺深さ精度で針を挿入し,遺伝子キャリア細胞を高精度で注入するシステムが開発できた.一方,組織内細胞インジェクションについて,脱細胞化生体組織を用いて検討を行った.組織外部から細胞を播種した場合、組織内に空隙が多数存在する場合でも内部への細胞の浸潤はおこらなかった.そこで注射器を用いて手動で注入したところ、組織内部に生着した.このことから、厚みのある組織(大血管、心筋など)に細胞を植え込む場合には注入法が有効であることが分かった.さらに,注入する針の表面を生体適合化する技術として,ハイドロキシアパタイトナノ粒子の固定化について検討を行い,様々なナノ粒子と固定化法についての有用なデータを得た.
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