哺乳動物細胞の形質発現を制御する光スイッチングシステムの開発
Project/Area Number |
15650097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
稲葉 俊哉 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (60281292)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 光応答 / 生体スイッチ / phytochromeB |
Research Abstract |
光(可視光)によってヒト細胞内で機能する生体スイッチの開発を試みた。人工臓器作成の過程で形態を整える必要が生じた際に、過剰となった細胞にアポトーシスを誘導するため、レーザー光による集積回路(LSI)作成技術の応用が可能ではないかと考えたのが発端である。すなわち哺乳類の細胞に光を当ててシグナルを送り、細胞内反応を惹起するシステムを開発する。光受容体システムとしては植物細胞のPhytochromeB(PhyB)/PIF3システムの応用を考えた。植物細胞ではPhyBは発色団であるphytochromobilin(PCB)と結合し、細胞質内に限局する。赤色光の照射によるPCBの立体構造変化を通じてPhyBは核内に移行し、転写因子PIF3と結合する。このシステムを動物細胞内でも機能させるために、PhyBのPCB結合ドメインと哺乳類細胞で機能する転写因子との融合蛋白質(キメラ)を作成してヒト細胞内に発現させる。また動物細胞ではPCBを合成る酵素を欠くため、PCBを細胞外から取り込ませる。通常の状態では細胞質にあって不活性である転写因子を赤色光照射によって核内に移行させることにより転写のスイッチを入れることが可能となる。本研究では転写因子としてテトラサイクリンによる遺伝子誘導発現系で用いられる転写因子を用い、クラゲの緑色色素蛋白GFPを発現させる系で検証した。PCBはリポフェクチン法で細胞内に導入した。一過性発現および永久発現の系においてキメラ転写因子は細胞質内に分布し、赤色光照射によって核内に移行した。それに伴ってGFPの誘導発現を見たことから、研究の目的は達成された。実用化に向けて発現効率の改善と、現在高価な試薬を用いているPCBの導入法の改善が今後の研究の課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)