Project/Area Number |
15650155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Eating habits, studies on eating habits
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
北條 康司 京都府立大学, 人間環境学部, 助教授 (40106266)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 農薬 / 塩化第二銅 / 精子障害 / 精巣上体尾部 / 正常形直進精子率 / 精巣 / DNA濃度 / AlamarBlue蛍光強度 |
Research Abstract |
近年、日本など先進諸国で生殖機能および精子機能の低下が懸念されている。我々は、微量で精子機能を低下させる環境因子を明らかにする研究の一環として、農薬である塩化第二銅の短期間微量経口投与による精子毒性の発現を検討した。 10週齢ddY系雄性マウスに、塩化第二銅の生理食塩水溶液を3日間または7日間連続経口投与し、銅欠乏飼料および精製水を自由摂取させた。銅投与量は、3日間実験では、0(対照)、16、100、600μg/kg体重/日、7日間実験では、0(対照)、16、100、600μg/kg体重/日、および、0(対照)、1200、2400、3600μg/kg体重/日、であった。心臓から脱血後、精巣および精巣上体尾部を摘出した。精巣上体尾部から精子を採り出し、位相差顕微鏡を用いて精子の性状(運動性および形状)を測定した。正常形直進精子(形状か正常で直進運動をする精子)を正常な生殖に関与する精子とみなし、この精子数の割合(正常形直進精子率)を精子性状の指標とした。また、各臓器のDNA濃度およびAlamarBlue蛍光強度を臓器毒性の指標として設定した。 銅必要量はマウス体重1kg当たり780-875μgである。実験の結果、これより低い銅投与量(16、100、600μg)でも、高い銅投与量(1200、2400、3600μg)でも、3日〜7日間投与後、銅欠乏群とくらべて、正常形直進精子率は有意に低下し、銅は極微量でも精子性状にとって障害となることが示された。同時に、精巣のDNA濃度およびAlamarBlue蛍光強度に低下傾向が見られ、精巣毒性が示唆された。今後、塩化第二銅の生殖障害作用について検討すると共に、食環境中の精子障害因子・生殖障害因子の広範な探求が必要である。
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