日本の青銅器鉄器における隕鉄成分の起源と検出の研究
Project/Area Number |
15650185
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cultural property science
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
三浦 保範 山口大学, 理学部, 助教授 (10034729)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
|
Keywords | 日本の青銅器鉄器 / 隕鉄成分 / Fe-Ni含有物質の起源 / Fe-Ni含有物質の検出方法 / 朝田遺跡 / 分析走査電子顕微鏡A / その場X線蛍光分析 / 中国の青銅器鉄器 |
Research Abstract |
1)島根山口佐賀の各県の遺跡中の金属物(青銅器鉄器)の文献XRF分析値を検討した結果、島根県の数点以外は、親鉄元素(Fe, Ni, Co)を含んでいなかった。 2)山口県では、3遺跡8試料を非破壊分析の結果、朝田遺跡に親鉄元素が含まれていた。 3)山口市朝田墳墓群の遺物試料YAII-002は、親鉄成分を含む微粒子(約10μm)の集合体が混入していることが、分析走査電子顕微鏡分析(ASEM)とその場X線蛍光分析(in-situ XRF)のFe-Ni含有量の解析からわかった。 4)山口県の原料は、歴史的な背景と隕鉄の供給源などから、中国から(直接渡来人により)運び込まれて日本国内で再度混合し、つくられた可能性が高く、新しい研究成果である。 5)山口県内の金属鉱床と秋吉クレーター状構造体からの親鉄元素供給源の可能性を検討したが、それらの混入を示すようなデータ証拠は得られなかった。 6)人類が始めて鉄を使用したのは天降鉄であることは、隕鉄破片がトルコ・中国・インドで発見され、また中東地域で衝突地形が報告されていることなどから考えられる。 7)第3の隕鉄成分の発見方法(隕石の落下目撃と発見隕石に次いで)が確立されることにより、古代に人類が鉄を使用した場所からその鉄の再利用までわかる可能性がでてきた。 8)地球外飛来の大きな隕鉄破片が消失し二次的加工された材料における隕鉄成分の残存の発見と解析は、小惑星隕石が衝突してできる地球型惑星(火星・月・小惑星など)での微量な隕鉄成分の解析方法を応用し、火山変化の多い日本列島で使える解析方法である。 9)微細な隕鉄成分の研究が準展すると、新しい材料(多層膜半導体、アモルファス金属物質など)への解明に糸口を与え、また科学技術・社会科学の多方面での寄与が期待できる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(14 results)