Project/Area Number |
15651030
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental technology/Environmental materials
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池 道彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40222856)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 正憲 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70029289)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | ボタンウキクサ / ウキクサ / 根圏微生物 / 有害化学物質 / 酸素輸送 / 生理活性物質 / 共生作用 |
Research Abstract |
水生植物とその根圏に生息する微生物の共同作用により、栄養塩類や重金属の吸収・除去のみならず、有機汚染物質の分解をも可能とする新たな水質浄化法の構築を目的として、根圏微生物の汚染物質浄化作用を活性化する水生植物の役割を解明するための検討を行った。ウキクサおよびボタンウキクサをモデル水生植物として、根圏に生育する土着微生物と外部から導入した微生物による合成下水(肉エキス、ペプトン、尿素主体の構成)、フェノールなどの分解特性を、光照射の条件を変えて比較し、また、その間の微生物群集構造の変化を16S-rDNAをマーカーとしたDGGE解析により調べた。この結果から水生植物は、根部に微生物を高密度に保持することができ、半照射下では根圏に酸素を効率的に供給することにより、化学物質を含めた有機物の生分解を促進する作用を有していることが明らかになった。また、酸素を供給しない暗条件下でも微生物の増殖と有機物、化学物質分解作用を有意に促進したことから、微生物の生理活性を向上させる因子を供給しているものと考えられた。水生生物根圏では、外来の微生物は必ずしも定着することはできないが、根圏で優占種となる微生物は在る程度限定されており、植物の生理活性物質による選択圧が働いていることが示唆された。本研究の結果は、水生植物-根圏微生物の共生関係を利用することで、植生浄化法において化学物質分解を含めた有機物除去能が飛躍的に向上できる可能性を示したものといえる。さらに、水生植物根圏の優占微生物から有害化学物質分解能を有するものを選抜し、育種により強化した後、根圏に再導入する戦略を、本技術を更に改良する一つのアプローチとして提案した。
|