Project/Area Number |
15652004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chinese philosophy
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Research Institution | Kyushu International University |
Principal Investigator |
石田 秀実 九州国際大学, 経済学部, 教授 (80151380)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | パターン / モデル / 位相的類同性 / 気の思想 / 中国伝統医学 / 言語表象 / 複雑性 / 内部観測 / 全体論 / 連続変化 / 流動 / パターン・モデル / 中国の自然学 / 位相 / 運気 |
Research Abstract |
中国伝統医学思想は中国古代の気の思想によって築き上げられたもっとも深遠な思想であるといえよう。その思想の特徴は事物を同一不変の存在としてとらえるのでなく、変わり続け、生きて動いているままの現象として把握しようとするところにある。この意思ゆえに事物は、不変同一の質量もしくは物質としてとらえられるのではなく、変わり続けてやまぬ気のながれとして把握されるのである。変わり続ける気の流れは、言語やその純粋化された形である数学で表示することが困難である。そこから言語表象そのものを否定する立場も生じてくる。ただし中国伝統科学、とりわけ中国医学は、こうした言語否定論を乗り越え、本来は言語表象できない気の流れを、何とか言語的に表象する道を探り出そうとした。本研究が探ろうとしたのはこうした考え方から生まれてきたパターン・モデル群による表象方法である。 変わり続ける事物現象そのものは言語表象できないが、そこに現れる位相的類同性ならば、すなわちパターン・もでる群ならば、表象可能だからである。こうした方法と思考の詳細は、本研究の成果である著書、『気のコスモロジー-内部観測する身体』(岩波書店2004)にほぼ論じつくしているので参照されたい。事物を変化しているままにとらえる(言語的表象にまで持ち込むことのできる)方法があるという発見は、単に伝統的科学の解明に役立つばかりでなく、これからの科学、とりわけ複雑系の科学について考えていく上で、きわめて重要になってくるものと思われる、その意味において、本研究は、伝統思想の究明というレベルを超えた、今日的課題に答えるものであると確信する。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)