青森県における仏教唱導空間の基礎的研究-図像・音声・身体-
Project/Area Number |
15652046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
山田 嚴子 弘前大学, 人文学部, 助教授 (20344583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸岡 道比古 弘前大学, 人文学部, 教授 (70133915)
須藤 弘敏 弘前大学, 人文学部, 教授 (70124592)
小池 淳一 国立歴史民俗博物館, 助教授 (60241452)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 開帳 / 絵解き / 仏教唱導空間 / 地獄絵 / 仏教民俗 / 地蔵信仰 / 奪衣婆 / 血盆経 |
Research Abstract |
青森県における地獄絵の開帳の状況を調査し、開帳時期、地獄絵の種類、絵画の用い方などの現状とその変遷を調査した。あわせて開帳の時期が地域住民の年中行事の中でどのような位置にあるのか考察した。 まず「青森県における仏教唱導空間の現在」(山田厳子)と題する報告で、青森県における開帳の状況とその特色について報告した。青森県では盆や春彼岸の時期に地獄絵を出し、テラマイリと称される参拝の中で、位牌を拝み、本尊を拝んだ後に地獄絵が鑑賞されることを述べた。また1月16日は、昭和30年代までは「カロゴ(津軽地方に特徴的な住み込みの奉公人)の暇あき」などと呼ばれ、使用人の休み日でもあった。この日は「女の正月」とも呼ばれ、寺を参詣する風習があった。しかし、現在では1月16日に地獄絵を見せるのはわずか2ヶ寺であり、そのうち1ヶ寺は戦後新たに地獄絵を見せるようになった。また、檀家の人たちに地獄絵を見せるのではなく、観光客や小学生、中学生、幼稚園児に地獄絵を見せる寺院も現れており、地獄絵の鑑賞者も変化している。また、そのような新たな観客に向けて、地獄絵の解説をする寺も現れている。 次に「地獄絵一覧」を示し、開帳に用いられている地獄絵の図像を紹介した。「寺院調査報告」(高達奈緒美・山田厳子)では寺院ごとに開帳の歴史、開帳の様子、用いられる地獄絵の種類などを報告した。「青森県における地獄絵について」(須藤弘敏)では、青森県における地獄絵の特徴を美術史の立場から考察した。「奪衣婆少考」(高達奈緒美)では青森県において、閻魔堂や地蔵堂の中に奪衣婆と閻魔の像が対になって表れることが多いことを示し、その背景について考察を行っている。「唱導文化の視点-サイノカワラと盆踊り-」(小池淳一)では青森県における仏教民俗を考える上での視点として、サイノカワラと盆踊りの伝承を取り上げて考察をおこなっている。 「弘前市立図書館蔵『目連尊者地獄巡』-解題と翻刻-」(小池淳一)「弘前市立図書館蔵『百万遍念仏縁起』-解題と翻刻-」(高達奈緒美)は弘前市立図書館が所蔵する近世後期の唱導と関わる文献の翻刻と解題である。「雲祥寺『地獄図』」の唱導と太宰治の文学」(久野俊彦)は作家太宰治の小説に登場する雲祥寺の地獄絵が、太宰治のファンである観光客にどのように受け取られているのか、雲祥寺に寄せられた観客の「感想」から分析したもの。最後に「絵解き実例」(高達奈緒美・山田厳子)を載せ、現行の地獄絵の「絵解き」の実例を示した。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)