Project/Area Number |
15653033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Sociology
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
永井 智香子 長崎大学, 留学生センター, 助教授 (60295110)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | アイデンティティ / 中国帰国者 / 思春期 / 追跡 |
Research Abstract |
2年目である平成16年度行ったことは主に以下のことである。 (1)周辺調査…以下のものに参加した。 ・中国残留日本人孤児の過去、現在、未来-「残留孤児問題」の総括と展望- ・第21回多言語化現象研究会 これらに参加したことにより、報告書をまとめるのに必要な先行研究、先行文献について多くの情報を得ることができた。 (2)まとめたデータをインフォーマントに読んでもらい、報告書をまとめる際にプライバシーという点から問題がないか、また、内容について付け加えること、あるいは、消去したほうがよいことがないかという話し合いを持った。 (3)本研究の先行研究である修士論文(96年3月に東京学芸大学に提出)の指導教官である浅沼茂教授に会い、初年度にひき続き報告書をまとめる際の指導を受けた。 (4)報告書の作成 本研究のインタビューの結果だけではなく、必要に応じて先行研究とも言える修士論文の結果(来日10年目の調査の結果)も入れ、報告書としてまとめた。 本研究の目的は思春期に来日した中国帰国者の子弟が時間がたつにつれてどのようにそのアイデンティティに変化が生じるかというものであった。来日10年目に行った調査ではインフォーマントらは中国人としての帰属意識を保持しているが、しかし、中国と日本の両言語、文化の切り替えをたくみに行っているバイカルチュラルな状態にあるのではないかという結論に達した。そして、来日18年目に調査を実施した本研究では、それぞれ異なる環境にいる4人のインフォーマントであるが、中国人としての帰属意識は大きく揺らいでいることがわかった。そして、そのアイデンティティをインフォーマントがたどってきた時間軸の上においているもの、国という枠組みを超えたところにおいているものがいることがわかった。 報告書はデータベース的なものとしてまとめた。そして、平成17年度中に異文化関係の学会誌に投稿を試みたいと思っている。
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