言語指標を用いた社会的推論過程の解明-帰納・演繹過程の国際比較研究
Project/Area Number |
15653044
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Social psychology
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
唐沢 穣 神戸大学, 文学部, 助教授 (90261031)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西光 義弘 神戸大学, 文学部, 教授 (10031361)
岡本 真一郎 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (80191956)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 社会的認知 / 言語理解 / 帰納推論 / 演繹推論 / 対人印象 / アイロニー / 語用論 / 特性推論 / 原因帰属 / カテゴリー化 / 比喩表現 / 自動性と他動性 / 責任の判断 / 人物特性の推論 / 言語カテゴリー・モデル / 日本語の属性表現 / 類別詞 / 比較言語学 / カテゴリー表象 |
Research Abstract |
人物の行動に関する情報から性格などの特性を推論する帰納過程と、逆に特性情報から行動傾向を推論する演繹過程を規定する認知過程と文化的影響を調べるため、言語指標を用いた実験社会心理学的研究を行なった。自由記述内容の分析と、文章の記憶に関するデータにおいて、イタリアでは帰納的推論の傾向が強いのに対し日本では演繹的傾向が比較的強いことが、一貫して示された。さらに、動詞と形容詞の持つ情報価に関する調査結果から、形容詞が人物特性の一般化にとって有用であると知覚される点は日伊の両文化に共通であるが、日本では形容詞から具体的な状況等を推論することが比較的容易であると知覚される点で異なっていることが明らかになった。 また、自身の行為を記述するさいの自動詞および他動詞の用法と、それに伴う結果責任の知覚について実験研究を行なった。結果に対する責任が自身にはないことが明らかな場合でも、社会的地位の高い相手や親密性の低い相手に対して説明を行なうさいに日本語では、他動詞の使用頻度が高いことが明らかになった。この結果から、行為に伴う意図性と責任の判断が、行為の記述に用いられる動詞の自動性・他動性と関連している可能性が示されるとともに、社会的要因の影響についても示唆を得た。この他、矛盾を含む表現に対する敏感さについて、日本語と英語における相異も明らかにした。 さらに、対人的なコミュニケーションが皮肉やお世辞として知覚される条件や、こうした知覚に伴う意図性の判断について、実験的研究を行なった。 以上の成果研究成果は、国外・国内の諸学会やシンポジウムにおける多数の報告を生んでいる。また、年間4点の論文と1点の図書の公刊(いずれも印刷中)に至っている。
|
Report
(3 results)
Research Products
(10 results)