保育園における乳幼児による暴力の社会的構成に関する文化心理学的研究
Project/Area Number |
15653049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educational psychology
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
鹿嶌 達哉 広島国際大学, 医療福祉学部, 助教授 (00284141)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2004: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 教育系心理学 / 暴力 / 乳幼児 / 社会的構成 / 社会的構城 / 文化心理学 / 保育園 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究を行なった。 1.文献研究:乳幼児による暴力に対する多様な見方を、主として社会的構成論と関係発達論の立場から整理し、紀要論文として発表した。そこでは暴力に対する見方を(1)家庭での育ち、(2)養育者の抱く暴力観、(3)発達過程、(4)育てる者と育てられる者との関係性、(5)養育環境、と関連づけて整理した。また、暴力により個人と社会が得るもの(暴力の機能)と暴力の過度の抑制による影響について考察をおこなった。その上で、乳幼児の暴力への対処法として、(1)被害者への対応、(2)暴力の制止、(3)内的状態の理解、(4)統制方法の指導、(5)代替表現様式の教育、(6)情緒発達の促進、(7)大人への依存方法の確立、(8)環境の整備などが提案された。 2.幼稚園における観察:暴力をよく示す年長男児について継続的に観察を行った。その結果、担当教諭は本児の行動傾向を家庭環境(特にきょうだい関係)と関連づけ理解していること、本児の暴力は問題解決場面だけではなく、競争場面と(本来)友好的な場面でも見られること、本児の暴力に対して他児が否定的な反応を示す割合が増加したこと、本児の行動傾向に対する大人の理解・見方が、大人の生育歴により異なることなどが示され、上記の論文では扱われていない問題が明らかにされた。 3.大学生が子ども時代に体験した暴力:子どものときに親やクラブ指導者から受けた体罰ときょうだいげんかにおける暴力に対しては、否定的な評価をする者が少なく、「あれがふつう、やむをえない」あるいは「あの場合は必要なもの」と評価していた。その一方で、教師(子どもにとっては関係が希薄な)やいじめ(自分に対する、同級生に対する)に対しては、現時点でも納得できない問題として影響が残っていた。 なお、本研究の実施にあたっては、協力者(子ども、幼稚園関係者、大学生)に対する倫理的配慮を十分に行なった。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)