Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
本研究は,地球形成の最終段階において,水200気圧,CO_260気圧からなる大気が冷却し地球最初の「超高温酸性雨」が降り始めた段階における,揮発成分と初期地球の岩石との反応の解明を目的としている。これは,全圧260気圧におけるH_2O-CO_2二成分系の臨界条件を挟んで,液相の凝縮が起こり始める条件である。昨年度は,実験系及び実験条件を確立し,原始地球を模擬した試料とH_2O-CO_2系流体との反応を再現する実験を行った。 本年度は,反応実験を継続すると共に,温室効果と地表へのエネルギー流量を考慮したH_2O-CO_2系大気の冷却過程についての検討を行った。その結果,H_2O-CO_2系原始大気の凝縮には,地表へのエネルギー流量が約200W/m^2まで減少する必要があること,及び,その後の冷却過程において原始地殻と原始大気の反応は,温室効果を減少させて海洋の形成と冷却を加速させる効果があることを見出した。特に,反応実験によって見出された炭酸塩鉱物の形成は,大気からCO_2成分を効果的に除去し,大気の冷却に大きな役割を果たしたと考えられる。大気の凝縮には,エネルギー収支の計算から数千年が必要であると推定されるが,この時間は炭酸塩鉱物の形成には十分な時間である。この結果は,米国地球物理学連合秋季大会において発表した^1。この成果は,詳細な解析を加えて論文投稿を準備中である。 ^1 ISOBE, Hiroshi TOMITA, Tomohiko and IKEDA, Kurumi, Evolution of High Temperature Early Atmosphere Under the Interaction of H_2O-CO_2 Super-critical Fluid With Minerals, AGU Fall Meeting, San Francisco, USA,2004.12
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