電気回路のパルス応答理論を応用する化学反応速度決定法の確立
Project/Area Number |
15655005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山崎 勝義 新潟大学, 理学部, 助教授 (90210385)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 一酸化硫黄 / 土酸化硫黄 / レーザ誘起蛍光法 / 脱励起 / 失活 / 消光 / 振動緩和 / 速度定数 / 二酸化硫黄 / レーザ誘起蛍光 / 反応速度定数 / 光解離ダイナミックス |
Research Abstract |
本年度は,前年度改良したフローセルを用いてSOラジカルの単一振電準位(B^3Σ^-,ν'=3)の光励起および蛍光検出を試みた。Heキャリヤーガス中の二酸化硫黄(SO_2)へのArF(193nm)レーザ照射によりSO(X^3Σ^-)を生成し,B^3Σ^--X^3Σ^-遷移の3-2バンド(244.1nm)を利用して,単一振電励起準位(ν'=3)をパルス的に生成した。励起後生じた蛍光を焦点距離125cmの分光器および光電子増倍管で検出した。分光器の波長を振動バンド3-19(420.2nm)に固定して,準位ν'=3の蛍光強度経時変化を時間分解能20psのオシロスコープを用いて記録した。蛍光減衰時間(<100ns)に対して照射レーザの時間幅(15ns)が無視できない長さであったが,本研究で確立した電気回路パルス応答理論を応用することにより正確な蛍光寿命を決定ずることができた。全圧を変化(1〜30Torr)させた蛍光強度変化データをすべて解析することに成功しν'=3のHeによる失活(消光+振動緩和)速度定数を決定した。本研究で確立したパルス応答理論を応用する解析法により,励起レーザの照射時間幅(15ns程度)よりかなり短い蛍光寿命(3ns)でも解析が可能であることが明らかになった。 また,蛍光分光スペクトルの全圧依存性を計測し,単一振動準位ν'=3へのHeの衝突により,単一量子緩和(ν'=3→ν'=2)に加えて,多量子緩和(ν'=3→ν'=1および0)が起こることを見出し,各振動準位間のHeによる緩和速度定数を決定した。Heのような不活性分子による衝突過程において多量子緩和過程が起こりうることを見出したのは,本研究が初めてである。また,消光速度定数の振動準位依存性から,SO(B^3Σ^-)のHe衝突による消光過程が衝突誘起前期解離であることを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)