水車型多核有機金属分子の合成と回転制御に基づく非開示型分子時計の開拓
Project/Area Number |
15655034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
直田 健 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (20164113)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | パラジウム / 多核金属錯体 / 異性化 / 包摂 |
Research Abstract |
申請者らは、金属連結型配位子の遷移金属塩との自己組織化による多核金属錯体=分子時計素子の開発に関する基礎研究を行った。メチレン鎖をスペーサーに有するビスサリチルアルジミン配位子とパラジウム塩との反応により合成した2核錯体には、syn-anti配座を有する異性体が存在し、まず、固相中における、これらの錯体の有機分子の包摂能および分子配列の規則と原理を系統的に調べることにより、syn-anti配座異性体の安定性および選択的合成法に関する知見を得ることができた。さらに、液相中において分子時計として機能するに足る高エネルキー状態を有する素子の選択的合成に関する基礎的な知見を得ることができた。これらの結果をもとに、2分子のゲスト分子を包摂した2核錯体が、溶液中で速やかにゲスト分子を解離し、金属を含む平面の回転によって、syn-anti異性化を起こす動的挙動を包括的に検討し、温度項を考慮した速度論的検討により、合目的分子時計素子の構築に成功した。異性化反応は可逆一次で進行し、原系生成系と遷移状態の活性化エネルギーが溶媒によって大きく変化することを見出し、これを手がかりに、回転速度が10万倍のオーダーで制御可能な、ショートレンジ、ロングレンジ型等の分子素子設計に向けてのライブラリーの構築を行った。本研究により、非開示型分子時計や素子の回転速度により温度上昇履歴を記憶する素子を構築するための有用な知見が得られた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)