ポートフォリオ理論にもとづく少額資産運用モデルの開発とその実証
Project/Area Number |
15656025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Engineering fundamentals
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
今野 浩 中央大学, 理工学部, 教授 (10015969)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 少額資産運用 / 平均・絶対偏差モデル / 非凸型取引コスト / 大域的最適化 / 整数計画法 / 分枝限定法 |
Research Abstract |
個人レベルの少額資産運用においては、ポートフォリオ理論が教える「分散投資の原則」を忠実に実行することはできない。なぜなら、資産の売買には最小取引単位があるため、資金の額が小さいときは、比較的少数の銘柄にしか投資することが出来ないからである。最小取引単位や銘柄数制約の下で、取引コストの影響を考慮した少額資産運用を効率的に実施するには、大型ファンドの運用とは異なる技術が必要とされるのである。 ところが、これらの問題を数理計画問題として定式化すると、非凸型最適化問題もしくは0-1混合整数計画問題となるため、長い間この種の問題を厳密かつ効率的に解くことはほとんど不可能と考えられてきた。 そのような状況の中でわれわれのグループは、1990年末に大域的最適化法を用いることによって、この種の問題を実用的な時間の範囲で解くことに成功した。ここで用いたアプローチは、リスク指標として分散(もしくは標準偏差)の代わりに絶対偏差(もしくは下半絶対偏差)を採用することによって、問題を線形制約式も下での凹型コスト関数最小化として記述し、これに超直方体分割法を当てはめるというものである。 本研究をスタートさせた2003年時点において、この方法で解くことの出来る問題は、200資産、24期間程度が限度であった。当時設定していたターゲットは、1000資産、36期の問題であったが、超直方体分割法を用いる限りは、この目標を実現するのは難しいものと考えられていた。 ところが2003年以降の3年間で、われわれはこのような大規模な問題を解くことに成功しただけでなく、最小取引単位や銘柄数制約を含む問題も現実的時間の範囲で解けることを実証した。 その内容は既に発表した6編の論文に詳しく記載されているが、ここで用いられるのは、問題を0-1混合整数計画問題として再定式化し、これに最近急発展中の整数計画アルゴリズムを適用したことである。この方法は1950年代以降、数理計画法における標準的手法として知られていたが、実用性を欠くとして長く放置されていたものである。われわれは過去5年間における整数計画法の大ブレークスルーに助けられ、マーコビッツ以来、50年目にして世界では初めてこの難しい問題を解くことに成功したという次第である。
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Report
(3 results)
Research Products
(20 results)