マルチプローブによる結晶格子を基準とするピコメートルエリアエンコーダの開発
Project/Area Number |
15656038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Production engineering/Processing studies
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
明田川 正人 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10231854)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 走査型トンネル顕微鏡 / 結晶格子 / 原子エンコーダ / 2次元変位 / ピコメートル / グラファイト結晶 / 原子トラッキング / マルチプローブ / 位相補間 |
Research Abstract |
複数探針(プローブ)を有するマルチプローブ走査型トンネル顕微鏡(STM)と結晶格子表面を組み合わせ、結晶格子表面の2個の基本格子ベクトルを基準とする2次元変位エンコーダの開発を行った。参照結晶として、グラファイト結晶(基本格子ベクトルの大きさ:0.246nm、基本格子ベクトル間の角度:60度)を選び、マルチプローブSTMを試作し、提案する2次元変位計測法を静電容量型変位計と比較した。得られた成果は次の通りである。 (1)1個の結晶配列を用いる手法 3個あるいは6個のSTMマルチプローブを同一の結晶配列に配置し、2次元変位測定法を考案した。マルチプローブの下に置いた参照結晶を載せたステージの変位ベクトルを、マルチプローブから得られるトンネル電流の演算から、基本格子ベクトルの線形和で現す手法を定式化した。1本のプローブに横円運動を与え、データサンプリングを円を1周する周期の1/3とし、準実時間でマルチプローブと同じ効果を得る手法を適用し、提案する手法を静電容量型変位計と比較した。提案する手法が利用できることを示した。 (2)2個の結晶配列を用いる手法 2個の異なる結晶配列を持つ領域に、それぞれ4個のSTMマルチプローブを配置する手法を考案した。それぞれのマルチプローブからのトンネル電流を演算し、試料ステージの変位ベクトルを、2個の異なる結晶配列領域の基本格子ベクトルで現す手法を定式化した。(1)と同様に、2個のプローブに横楕円運動を与え、データサンプリングを楕円を1周する周期の1/4とし、実時間でマルチプローブと同じ効果を得る手法を適用した。提案する手法と、静電容量変位計結果を比較し、提案する手法が利用できることを示した。特に結晶格子間隔以下の変位も補間出来ることを示した。 以上より、複数探針を有するマルチプローブ走査型トンネル顕微鏡(STM)と結晶格子を組み合わせ、2次元変位をピコメートル分解能で決定できる可能性があることを示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)