Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
小惑星の表面は1万分の1G以下の微小重力環境であり,探査機が安定して着陸することができない.よって,地上でイメージされるような,車輪型,歩行型の移動ロボットは宙に舞い上がってしまって成立しない.わが国初の小惑星探査機MUSES-Cでは,表面に数秒間タッチダウンする間にサンプルを回収する方式が開発されたが,岩陰や窪みのような小惑星の表面をくまなく探査するためには,自在に移動できる装置が必要である.本研究では,小惑星表面を構成するBoulderと呼ばれる岩塊に,ロッククライミングのようにしがみつきながら匍匐前進する探査ロボットを着想し,その可能性を追求した. 平成16年度の研究では,小惑星表面を移動する方式として脚型のロボットについて詳細な検討を行った.まず1自由度の運動をし,先端に把持機構を持たない単純な脚を複数本持つ場合について検討を行った.この場合,足先を微小に振動させる動歩行を行うことにより,大きくジャンプしたり転げ回ることなく,あたかも表面に張り付いて移動するかのように面に沿って移動するモードが存在することを明らかにした.次いで,グリッパを用いて表面に機械的にしがみついて移動する方式について検討し,グリッパのモデルを製作して岩石を把持する力を測定した.グリッパによる把持は十分に大きな力を得ることができ,有望な方式であることが確認できたが,グリッパを持つ複数脚のロボットは機構的にも制御的にも複雑なシステムとなることが,欠点として挙げられる.実際のフライトミッションにおいては,単純機構による動歩行か,複雑度が大きい静歩行を選択するかのトレードオフが必要である.本研究では,このトレードオフに必要な基礎データを得ることができた.
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