Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Research Abstract |
本研究では,酸化物系電子(ホール)-イオン混合伝導体を対象として,ナノイオニクス効果による電子構造と表面電荷,表面の化学反応特性に及ぼすバンドベンディング効果を電子分光測定及び電気化学測定により明らかにすることを目的としている.本年度は,ナノイオニクス効果を逆光電子分光法ならびに軟X線分光法により実験的に解明するための測定を行った.対象とした物質群は種々の導電特性を有するペロブスカイト型酸化物群(Nb(n-型)をドープしたSrTiO_3(n-STO),高い酸化物イオン電子伝導を有するSrFeO_3)他の酸化物系混合伝導体である.高エネルギー物理研究機構のシンクロトロン放射光施設に設置された軟X線吸収分光と同発光分析ならびに本年度東京理科大学に導入された逆光電子分光装置を行い,表面のフェルミ準位付近の電子構造,酸化物表面に形成した蒸着膜の電子構造解明を行った.前者では励起X線入射角を変化させたときの軟X線分光スペクトルの変化に着目し,情報の脱出深さの相違を利用した表面電子構造解析の可能性を検討し,充分な精度で両者の相違を観察できること,フェルミ準位シフト測定による表面付近のバンドベンディングの観察が可能であることを示した.さらには,n-STO上に金属蒸着薄膜を形成したときの金属/酸化物ヘテロ界面の酸化物側界面近傍に形成される空間電荷層および界面のピン留め準位について,表面からの深さ方向の分析を試み,その結果を解析している.一方,逆光電子分光法では入射光電子エネルギーを変化させて共鳴励起を利用することにより軌道の帰属を解明することができる.これを利用してn-STO表面へ蒸着したCu上への酸素吸着挙動をin-situ観察し,金属薄膜上の表面電荷と吸着原子との相互作用を検討した.
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