細胞内環境下における核酸相互作用エネルギーのデータベース化
Project/Area Number |
15656213
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biofunction/Bioprocess
|
Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
杉本 直己 甲南大学, 理工学部, 教授 (60206430)
|
Project Period (FY) |
2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
|
Keywords | 核酸相互作用 / 分子認識 / 定量化 / 相互作用エネルギー / crowing / 共存分子 / in vitro / in cell |
Research Abstract |
核酸や蛋白質などの生体高分子を対象とした物理化学的研究は、生物に見られる様々な現象を論理的に解釈するのに非常に重要な寄与を果たしてきた。最近ではRNA干渉など、学術研究の面でも医療目的の実用面でも注目される現象が報告されているが、自由に利用可能な技術とするためには、化学的な解析を通した理解が不可欠である。しかし、細胞内(in cell)環境は空間の30〜40%が蛋白質等に占められた混み合い(crowding)状態であるため、実験室におけるin vitro解析の実験条件と大きく異なる。そこで本研究では、核酸-核酸および核酸二蛋白質相互作用に関して、crowding環境下での相互作用エネルギーを定量化し、データベース化することを目的とした。まず、コントロールとして非crowding条件における核酸相互作用の定量化を行った。本研究代表者は、これまでに二重鎖核酸に関して相互作用エネルギーの定量化を行ってきており、情報の蓄積がある。今回、特殊な核酸の四重鎖構造と部分的な二次構造の組み合わせで触媒機能を発現するデオキシリボザイムに関して、相互作用エネルギーを算出し、また金属イオン濃度やpHといった環境因子の影響を定量化した。続いて、四重鎖構造に関して、crowding剤として中性のポリエチレングリコールと塩基性のプトレシンを高濃度で共存させて同様の解析を行ったところ、共存分子の種類によって、構造形成のエネルギーが異なることが示された。また、crowding条件下で、希薄溶液条件下と全く異なる高次構造を形成する例も見いだされた。これらの結果は、in vitro解析の結果を直接in cell環境での分子挙動の予測に用いることができない場合があることを示しており、新たなパラメータの開発が必要であることを示唆するものである。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)