核のリモデリングに伴う核膜孔複合体の機能・構造・動態変化の解析
Project/Area Number |
15657049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
今本 尚子 独立行政法人理化学研究所, 今本細胞核機能研究室, 主任研究員 (20202145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 昌俊 独立行政法人理化学研究所, 今本細胞核機能研究室, 研究員 (60324779)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 再構築系 / Xenopus卵 / 核膜 / 核膜孔複合体 / 細胞周期 / DNA合成 / 核のリモデリング / クロマチン / 初期化 / アフリカツメガエル卵 |
Research Abstract |
核膜孔複合体は2層の脂質2重膜に埋め込まれた細胞核の表面に存在する超分子構造体である。これまで、核膜孔複合体の分布や数といった情報の殆どは、電子顕微鏡観察によって得られていた。しかし、輸送反応の1分子可視化技術の経験から、1つ1つの核膜孔複合体の観察が、光学顕微鏡の蛍光観察からも十分可能であることがわかった。FG-リピートの他、Nup153、Nup98、Nup62などの各種核膜孔複合体構成因子に対する抗体を作成し、細胞核の状態変化に伴った核膜孔複合体の分布や数といった動態変化を観察した。アフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵の間期抽出液を利用した細胞核の無細胞構築系では、核膜孔複合体は染色体の脱凝縮に伴って数が増加し、DNA合成が進行するのに伴って均一一化することを確認することができた。一方、ヒトの培養細胞を用いた実験からは以下の知見が得られた。様々な細胞周期マーカーを組み合わせてHeLa細胞における核膜孔の分布の変化を解析した結果、G1期には核膜孔の分布に大きな偏りがあり、細胞周期の進行にしたがって徐々に解消されることが明らかになった。一方、細胞周期の進行に伴い、核膜孔の密度は増加する。このような核膜孔の分布の大きな偏りは、HeLaのようなガン細胞ばかりでなく、ヒト2倍体の正常細胞でも観察された。その分布はquiescenceのような休止状態、senescenceのような老化状態で大きく変化することがわかり、核膜孔の分布は細胞周期や分化の過程で大きく変化することが示唆された。これらの観察から、核膜の表面に存在する核膜孔複合体が細胞核構築を考える上で1つの興味深い指標になることが考えられる。今後、核膜孔を指標にして細胞核の構造や動的な構築過程を追求したいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)