精子形成過程での細胞質mRNAポリA鎖伸長制御の意義に関する研究
Project/Area Number |
15657050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
馬場 忠 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40165056)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | マウス / 精細胞 / 精子形成 / mRNA / ポリA鎖 / 転写因子 / 核移行 / 減数分裂 |
Research Abstract |
精子形成過程での細胞質mRNAポリA鎖伸長制御に関して研究を行い,次のような新しい成果を得た。 球状精細胞細胞質での特定mRNAのポリA鎖伸長に関与している精巣特異的ポリAポリメラーゼTPAPの精子形成過程での機能をさらに明確にするために,TPAPトランスジーンを野生型とTPAP欠損マウスで発現させて解析を行った。TPAP過剰発現マウスの精子形成と生殖能はともに正常であり,TPAPの基質であるいくつかの転写因子のmRNAサイズも野生型と同じであった。また,TPAP欠損マウスに外来のTPAP遺伝子を導入することにより,特定の転写因子mRNAのポリA鎖伸長不全や半数体特異的遺伝子の転写量の減少は補われ,結果として正常な精子形成が回復した。これらの結果は,TPAPによる細胞質でのmRNAポリA鎖伸長が精子形成に必須のプロセスであることを明確にしており,細胞質でのmRNAポリA鎖伸長を厳密に制御する機構があることを示唆している。 TPAPが制御するTAF10の特異的な核輸送システムを調べ,TAF10が精巣特異的に存在するモータータンパク質KIF2Cと間接的に相互作用していることを明確にした。TAF10とKIF2CのmRNA量は野生型とTPAP欠損マウスで相違はなかったが,これらのmRNAポリ鎖はTPAP欠損マウスで十分に伸長していなかった。また,これらのタンパク質は,半数体精細胞の核での存在量が激減していた。これらの結果をもとにして,TPAPがポリA鎖伸長によってTAF10とKIF2Cの核移行が制御され,このTAF10核移行不全のために精子形態形成に関与する半数体特異的遺伝子転写の減少がTPAP欠損マウスで起こっていると結論した。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)