棘皮動物オーリクラリア幼生の繊毛帯変形過程から脊索動物神経系の起源を検証する
Project/Area Number |
15657055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Evolutionary biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
雨宮 昭南 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30011670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 敦雄 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (50343116)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | ウミユリ / トリノアシ / ドリオラリア / オーリクラリア / 繊毛帯 / 神経系 / 棘皮動物 / 脊索動物 |
Research Abstract |
本研究では、棘皮動物有柄ウミユリ類トリノアシ幼生の発生過程の神経系の形成について、より詳細な解析を行なうために、棘皮動物遊在類の神経細胞を広く認識することが知られる抗体を用いて、オーリクラリア型幼生からドリオラリア型幼生の時期における繊毛帯の形成と再編成過程について神経系の挙動の網羅的な記載を試みた。さらに、比較の為に、ウミユリ綱に属するニッポンウミシダ、及び、棘皮動物遊在類のマナマコを用いて同様な実験を行なった。 トリノアシ幼生では遊泳幼生初期から前方で神経細胞が出現し、ドリオラリア幼生になると前方によく発達した幼生神経節が形成された。また、ドリオラリア幼生期には上皮神経網が体全体に出現したが、着底間近になると消失した。この上皮神経網は半索動物等の成体の上皮神経網と相同な可能性が考えられ、脊索動物を含む新口動物全体の体制進化を考察する上で重要な指標となる。 ニッポンウミシダの神経形成は、ドリオラリア幼生期にトリノアシと同様なパターンが見られたが、上皮神経網はみられない。マナマコではオーリクラリア幼生期に繊毛帯を裏打ちする神経が確認された。ドリオラリア幼生でも繊毛環にそって神経系がみられた。 ニッポンウミシダ、マナマコともに幼生神経系は発生の進行とともに消失し、成体神経系はそれとは独立に形成された。このことは、棘皮動物共通祖先でも幼生神経系が成体神経系に取り込まれなかったことを示唆し、この二つの神経系が系統発生上独立に獲得された可能性が考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakano, H., Hibino, T., Hara, Y., Oji, T., Amemiya, S.: "Regrowth of the Stalk of the Sea Lily, Metacrinus rotundus(Echinodermata : Crinoidea)"J.Exp.Zool.. (In press). (2004)
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