レポーター遺伝子導入癌細胞を用いた癌転移過程の定量的解析と転移抑制法の開発
Project/Area Number |
15659037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋田 充 京都大学, 薬学研究科, 教授 (20135594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 元也 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40273437)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ドラッグデリバリーシステム / ルシフェラーゼ / 癌転移 / レポーター遺伝子導入がん細胞 / カタラーゼ / 活性酸素消去酵素 / 体内動態 / デリバリー |
Research Abstract |
本研究は、遺伝子導入による細胞標識という極めて新規性の高い方法により、癌細胞が転移の標的となる各種臓器を通過時に、転移形成の必須過程として存在する毛細血管塞栓と内皮細胞への接着を定量的に解析する新規癌転移過程解析法を提案するものである。 メラノーマB16-BL6細胞株ならびに大腸癌colon 26細胞に対し、ホタルルシフェラーゼ遺伝子をコードしたpDNA(pCMV-Luc)を導入することによりルシフェラーゼ安定発現細胞株B16-BL6/Lucならびにcolon 26-Lucを得た。樹立した癌細胞株におけるルシフェラーゼの発現は安定であり、ルシフェラーゼ活性は癌細胞数と広範囲において比例し、過酸化水素あるいはカタラーゼ処理による変動は認められなかった。組織1g中に400個以上の癌細胞が含まれれば検出可能な発現レベルのB16-BL6/Lucならびにcolon 26-Luc細胞が得られ、これによりin vivoにおける癌細胞分布ならびに増殖を高感度かつ定量的に評価することが可能となった。 そこで各種癌転移抑制薬として知られるカタラーゼ(CAT)の癌転移抑制効果の定量的評価をおこなうため原発巣切除後の転移巣における癌細胞増殖抑制効果を評価した。B16-BL6/Luc細胞投与後、CAT,PEG修飾CATを投与し、癌原発巣を切除した。癌原発巣を切除することにより肺転移巣で癌細胞が急激に増殖し、1週間で1000倍程度にまで増加した。しかしながら、原発巣切除直前にPEG修飾CATを投与することにより切除1週間後での肺中癌細胞数は未処理時の約300分の1にまで減少することが明らかとなった。 以上、従来困難であった転移過程とその後の増殖過程の分離評価が可能となり、各種癌転移抑制薬の効果の定量的評価が実現されることから、新規癌転移抑制法の開発も大きく促進されることが期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)