新規低分子量生理活性物質による神経幹細胞の分化制御
Project/Area Number |
15659059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤池 昭紀 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80135558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香月 博志 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40240733)
久米 利明 京都大学, 薬学研究科, 助手 (10303843)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | セロフェンド酸 / アストロサイト / サイクリックAMP / 細胞分化 / チロシンヒドロキシラーゼ / 酪酸 / グルタミン酸トランスポータ / 星状化 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
中枢神経細胞およびグリア細胞の機能分化に対する低分子量化合物の作用について検討した。1.神経芽腫細胞株であるSH-SY5Y細胞にdibutyryl cyclic AMP(dbcAMP)あるいはレチノイン酸を処置すると、いずれの場合も突起の伸展を特徴とするニューロン様の細胞形態への変化とともに、チロシンヒドロキシラーゼ(TH)の発現誘導が認められた。TH発現誘導効果はdbcAMPの方がより顕著であり、またノルアドレナリン産生量はdbcAMP処置によって顕著に増大したのに対し,レチノイン酸処置によっては変化しなかった。dbcAMPのTH発現増大作用は、プロテインキナーゼA阻害薬によって部分的に抑制された。また、dbcAMPの細胞内での分解によって生じると考えられる酪酸を処置することによってもTH陽性細胞数の増加とノルアドレナリン産生量の増加が誘導されたが、細胞の形態変化は誘導されなかった。以上のことから、dbcAMPによるSH-SY5Y細胞のノルアドレナリン産生細胞への分化にはプロテインキナーゼAの活性化と酪酸の産生の両者が介在することが示唆された。2.我々が新規に同定した神経保護活性化合物セロフェンド酸は、培養アストロサイトに適用するとdbcAMPによって誘導される形態変化を促進する。この時のアストロサイトでのグルタミン酸トランスポータの発現について検討したところ、セロフェンド酸はdbcAMPによって誘導されるGLT-1およびGLASTの免疫反応性の増大をさらに増強することが明らかになった。したがって、セロフェンド酸はニューロンに対する細胞保護作用を有するだけでなく、グリア細胞の機能分化をも制御する多機能性の内在性化合物であることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(30 results)