神経伝達物質受容体に対する自己抗体測定法の開発と臨床応用
Project/Area Number |
15659135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory medicine
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
網野 信行 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60028694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 徹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00263236)
巽 圭太 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00222109)
日高 洋 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30243231)
中田 幸子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00346222)
泉 由紀子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60314316)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 自己抗体 / 自己免疫疾患 / 神経伝達物質受容体 / ラジオリガンドアッセイ / 精神疾患 / 慢性疲労症候群 / 出産後精神病 / 統合失調症 |
Research Abstract |
自己免疫疾患には多種存在するが、特に臓器特異的自己免疫疾患では甲状腺疾患をはじめその特異的な自己抗体測定法が診断に極めて重要である。従来より当該研究者らは各種自己免疫疾患の新しい自己抗体測定法の開発研究を精力的に続けており、今回精神疾患の一部が自己免疫により発症するのではないかとの仮説をたて、神経伝達物質受容体に対する自己抗体測定法の開発を試みた。 神経伝達物質としては、今回ドーパミン受容体、セロトニン受容体、ムスカリンコリン受容体およびオピオイド受容体を選び、新しくradioligand assayを導入し、抗体測定法を開発した。まず、プラスミドに組み込まれたそれぞれの受容体の遺伝子をT7ファージのRNAポリメラーゼと網状赤血球抽出液を用いた無細胞たんぱく翻訳系で^<35>S-メチオニン標識受容体を合成し、これを標識抗原として用いた。この系の特徴は立体構造を保ったままで抗原を作製することが出来ることである。この抗原を用いてアッセイを組み立てた。再現性を良くするため、陽性コントロール血清により抗体価をindexで表現した。これらの測定法の希釈試験、吸収実験および再現性を検討し、優れた検査法と考えられた。そこで122人の精神疾患の患者に応用したところ、ムスカリンコリン受容体抗体が34.4%、オピオイド受容体抗体13.1%、セロトニン受容体抗体7.4%、ドーパミン受容体抗体4.9%に認められた。特に統合失調症においては、これらの抗体がそれぞれ34.1%、34.9%、33.3%および9.1%とかなりの陽性を示した。一方、いわゆる慢性疲労症候群においてこの抗体測定法を応用したところ、ムスカリンコリン受容体抗体が55.3%の患者で認められ、かなり病的な意義が存在するものと考えられた。また、出産後発症する精神疾患にこれら抗体測定法を応用し、出産後の病状がかなり重症の時に抗体価が高く、以後病態の軽減とともに抗体価が減少していくことも観察され、出産後自己免疫性精神病なる新しい概念が見出された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)