小児の注意欠陥多動性障害(ADHD)および学習障害に関与する環境および遺伝要因
Project/Area Number |
15659144
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岸 玲子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80112449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐田 文宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90187154)
室橋 春光 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (00182147)
和田 博美 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (90191832)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 注意欠陥多動障害(ADHD) / 甲状腺ホルモン / TSH / FT4 / マススクリーニング / 妊婦 |
Research Abstract |
本研究では、「注意欠陥多動障害」(ADHD)など小児の神経発達障害、行動異常の発症リスクを解明するため、特に内分泌かく乱物質からの影響が考えられる甲状腺機能との関連に焦点を当てて研究を行った。 Wistarラットを用いた動物実験ではMethimazole投与の影響を検討した。オープン・フィールドを用いて活動量を検討した結果、暗期における活動量の低下が認められ、甲状腺ホルモン抑制による活動の明暗リズムの崩れが認められた。また、情動性の高まりが見られ、新奇刺激に対して馴化が生じにくく、馴化が生じた後では多動が認められた。オペラント課題による学習行動の検討では、オスでは学習の獲得過程で行動の時間どり抑制ができず、ひとたび反応すると、報酬に関わらず続けて反応を連発する行動が見られたが、メスでは認められなかった。脳神経発達期に甲状腺ホルモンを阻害されると多動性や行動抑制の障害(衝動性)といったADHDと類似した行動障害が生じると示唆された。DRLLによる学習への影響は、メスでは影響がなかったが、オスにおいて行動抑制ができないという反応抑制障害が認められた。 疫学研究では小児神経専門医療機関に通院しているADHDを含めた発達障害児を対象とし、母親の妊娠時、及び児の新生児期の甲状腺機能検査、現在の甲状腺機能についての測定を行った。発達障害児と診断された3歳から17歳の児58名を対象とし、分娩年月日、性、分娩週数(±1週)をマッチさせた217名を対照群とした。その結果、新生児期のTSHは症例が2.6μU/ml(0〜6.3)に対し、対照では、2.8μU/ml(0〜11.2)、FT4では、症例が2.1ng/dl(1.2〜3.7)に対して、対照は2.1(1.0〜4.4)と有意な差が認められなかった。疫学研究では、妊婦甲状腺機能の検討が出来た症例が少なく、さらに、サンプルサイズを増やして検討を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)